大山幸綱

大山幸綱は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけての薩摩国島津氏に仕えた家臣です。

出自

幸綱の先祖は、源平合戦で活躍した佐々木高綱に遡ります。その次男である野木光綱の子、行綱が薩摩へ下向したことが、大山家が九州に根を下ろす始まりとなりました。

逸話

ある時、島津義弘が罪人を処刑しようとした際、罪人が稲わらに躓いて倒れました。その瞬間、幸綱が罪人を討ち果たしたことで、義弘から感状と「稲介」の名を賜りました。この出来事以来、幸綱は自らの代限りで、弟の綱宗と共に髪型を茶筅髷にするようになったと伝えられています。

戦歴

天正18年（1590年）の小田原征伐では、義弘の次男である島津久保に従い出陣しました。文禄の役では兵具奉行として朝鮮へ渡海し、兵站を担いました。朝鮮での虎狩りの際、久保が鉄砲で虎を狙おうとした際、幸綱は危険を案じ、自らの肩に鉄砲を乗せて久保が虎の頭を撃ち抜くのを助けました。慶長3年（1598年）の露梁海戦では深手を負い海に投げ出されましたが、味方の船に救助され一命を取り留めています。

晩年

寛永12年（1635年）に68歳で死去しました。幸綱の孫の代からは、先祖である佐々木氏に復姓しています。

参考文献

『本藩人物誌』 鹿児島県史料集(13)　（鹿児島県史料刊行委員会）
稲葉行雄　『「さつま」歴史人名集』（高城書房出版）ISBN 4-924752-28-2

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