大山綱宗

大山綱宗

大山綱宗（おおやま つなむね）は、安土桃山時代に薩摩国（現在の鹿児島県）の島津氏に仕えた武将です。父は大山綱実。

生涯

大山綱宗は、源平合戦で活躍した佐々木高綱の次男・野木光綱を祖とする家系の末裔で、大山綱実の次男として生まれました。兄と同様に、彼は生涯を通じて茶筅髷（ちゃせんまげ）という髪型をしていたと伝えられています。

島津義弘に属し、文禄・慶長の役（朝鮮出兵）に従軍。特に泗川（しせん）の戦いにおいて、川上久智（かわかみひさとも）、寺山久兼（てらやまひさかね）らと共に敵を追撃した際、石橋の向こうから明軍の援軍が現れました。綱宗は、道脇の野原からその援軍の背後を突き、三尺八寸（約1.15メートル）の太刀を振るい、数十人を斬り伏せました。太刀が折れると、長脇差に持ち替えてさらに数十人を討ち果たし、自身も頭部に軽い傷を負いながらも、なおも斬りつけ、多数の敵を倒しました。

その後の露梁海戦（ろりょうかいせん）では、敵を討ち取るだけでなく、敵に奪われた金扇の船印を敵船に飛び移って取り返すなど、目覚ましい功績を挙げました。

朝鮮からの帰国後、慶長5年（1600年）、綱宗は伏見（現在の京都市伏見区）に滞在中に薩摩への帰国を命じられます。帰国のために船に乗ったものの、良い風が吹くまで船中で昼寝をしていました。その時、船子が誤って船の櫓から落ちてしまう事故が起こり、その物音で綱宗は目を覚まします。当時、京の都ではスリや辻斬りが横行しているという噂を耳にしていた綱宗は、この騒ぎを自分を捕えようとする者たちの策略だと勘違いし、刀を抜いて船子十数人を斬り殺してしまいました。

自身の過ちを悟った綱宗は、有馬純房（ありますみふさ）と大井三右衛門（おおいさんえもん）の検視のもと、大坂（現在の大阪市）にて切腹しました。享年27歳という若さでした。

参考文献

『本藩人物誌』 鹿児島県史料集(13)　（鹿児島県史料刊行委員会）
『西藩烈士干城録(二)』 鹿児島県史料集（50）（鹿児島県史料刊行委員会）

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