大悲院 (天津市)

大悲院（だいひいん）

大悲院は、中華人民共和国天津市河北区に位置する仏教寺院であり、天津市仏教協会が置かれています。その歴史は清代に遡り、数々の変遷を経て現在に至ります。

歴史

大悲院は清代の順治年間に、天津守備の曹斌によって創建されました。康熙8年（1669年）には早くも寺院の重修が行われています。その後、光緒元年（1875年）には、直隷総督の李鴻章が中心となり、出資を募って寺院を再建しました。1940年には拡張工事が行われ、現在の東西両院の形となりました。

1949年以降は、地元政府が寺院の修復や僧侶の住居の建設を支援しました。しかし、1966年に文化大革命が始まると、寺院の宗教活動は停止を余儀なくされ、紅衛兵によって徹底的な破壊を受けました。1980年には大規模な再建が行われ、現在の基礎が築かれました。1982年には仏事活動が再開され、1983年には中華人民共和国国務院によって漢族地区仏教全国重点寺院に認定、1986年には国内外の観光客に一般公開されるようになりました。

伽藍

大悲院は東院と西院に分かれています。

東院：天王殿、大雄宝殿（本堂）、大悲殿、地蔵殿、玄奘法師紀念堂、弘一法師紀念堂、講経堂などがあります。
西院：念佛堂、方丈室、天津市仏教協会の会場があります。

文化

大悲院には、多くの文化的な価値を持つ書や像が収蔵されています。

門額「真如覚場」は、趙朴初の筆によるものです。
本堂の額「大雄宝殿」は、天津市出身の書家、華世奎によるものです。また、正柱には上海市龍華寺の高僧、明暘長老による畳字対聯「静聴夜半鐘声声声喚醒主人夢、試看庭前月色色色全彰古仏心」が掲げられています。
大殿北門の額「放大光明」は、天津出身の学者、呉玉如によるものです。
大悲殿の両側には、天津美術学院教授で書画家の孫其峰による対聯「行深般若五蘊皆空觀自在、普門示現尋声救苦大悲王」や、天津出身の書家、李鶴年による対聯「慈悲法身三十二應随机普渡、円通教主百千万行攝化群生」が飾られています。
門の篆書体の額「古刹大悲禅院」は、天津文史館長の王襄によるものです。
弘一法師紀念堂の隷書体の額は、龔望によるもので、対聯「發心来正覚、忘己済群生」が壁に掛けられています。

重要文化財

大悲院には、以下の重要な文化財が収蔵されています。

古銅鎏金千仏蓮座釈迦像
玉石造釈迦像（シンガポールの鄭国川贈与）
弘一銅像
玄奘繍像

主な住僧

倓虚法師
智如法師

脚注

外部リンク

* 公式ウェブサイト

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