大技林

大技林（だいぎりん）とは

『大技林』は、1989年から2000年まで徳間書店インターメディア（TIM）より発行されていた、家庭用ゲームソフトのデータ・裏技を収録した書籍です。2011年にはアンビットより発行されました。事典のような形式で、当時の全ゲームソフトを網羅する圧倒的な情報量が特徴であり、インターネットが普及する以前には、貴重な裏技データ集として重宝されていました。

2000年から2008年の間は、発行元を毎日コミュニケーションズ（現：マイナビ）に移し、『広技苑』（こうぎえん）というタイトルで発行されていました。『大技林』、『広技苑』ともに、「金田一技彦」（きんだいちわざひこ）という名前が監修者としてクレジットされています。株式会社アンビットが編集・制作を担当していました。

タイトルの由来は、国語辞典のパロディであり、「大技林」は大辞林、「広技苑」は広辞苑をそれぞれ元にしています。

歴史

『大技林』の誕生

『大技林』は、元々1985年7月にTIMから創刊されたファミリーコンピュータ専門誌『ファミリーコンピュータMagazine』（ファミマガ）の読者投稿コーナー「ウル技」から生まれました。「ウル技」は、読者から寄せられた裏技を紹介する人気コーナーでした。

このコーナーで紹介された「ウル技」をまとめた別冊付録が発行されるようになり、1989年1月には『ウル技大技林』として年1回発行されるようになりました。その後、TIMから発行された他のゲーム機専門誌でも同様のコーナーが設けられ、それぞれの機種に対応した『ウル技大技林』が付録として登場しました。

ムックとしての刊行

1995年8月には、TIMが発行する全てのゲーム誌から「ウル技」を集め、各機種のソフトデータを収録した書籍『超絶大技林』が刊行されました。これは「トクマ・インターメディア・ムック」シリーズの一冊として、不定期に改訂・刊行されました。

各ソフトのデータや「ウル技」に加えて、読者による評価を「ゲーム通信簿」として掲載していました。しかし、時代が進むにつれて扱うゲーム機やソフトが増加し、過去のゲーム機は収録対象から外れることになりました。1999年には、ファミコンなど新作ソフトが発売されなくなった機種の収録を終了した『超絶大技林 歴史的8機種最終保存版』が発売されました。

1999年夏に発売された『超絶大技林 '99年夏版』では、PlayStation（PS）用ソフトのみを掲載し、データベースを収録したCD-ROMが初めて付録として制作されました。

『広技苑』への改題

2000年1月、『超絶大技林 2000年冬版』の発売をもって、『大技林』としての発行は終了しました。同年、発行元が毎日コミュニケーションズ（MYCOM）に移り、タイトルも『広技苑』に改題されました。

『広技苑』では、「ウル技」の表記が「ウラ技」に変更され、「ゲーム通信簿」は廃止されました。改題後も新作ソフトが発売されない機種は収録対象外となりましたが、過去の機種のソフトデータが収録されることもありました。

『大技林』の復刊

2011年8月には、『超絶大技林2011年秋 完全全機種版』として、『大技林』が復刊しました。ファミコンからニンテンドー3DSまで、幅広い機種のソフトを網羅し、過去最大のボリュームとなりました。PlayStation Storeやバーチャルコンソールで配信されているソフトのデータも収録されています。

CD-ROM版

一部のバージョンには、CD-ROMとして制作されたデータベースソフトが付属していました。PlayStation用CD-ROMには、PlayStation以外の機種のソフトデータも収録されていました。また、『超絶大技林 2011年秋 完全全機種版』には、パソコン用ソフトが付属していました。

ウェブサイトでの情報掲載

『Nintendo DREAM』の公式サイト内では、『広技苑Online』というデータベースサイトが運営されていました。また、毎日新聞社のウェブサイト『ゲームクエスト』では、『Nintendo DREAM』と『大技林』を基にしたゲームソフトのデータベースが掲載されていました。

備考

収録されているソフトのタイトルは、実際のタイトルと異なる場合があります。

関連事項

ウソ技
山森尚
PC Engine FAN
ドリームキャストFAN
* Play Station Magazine

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