大杉神社

大杉神社（おおすぎじんじゃ）について

大杉神社は、茨城県稲敷市阿波にある重要な神社で、特にその豪奢な社殿から「茨城の日光東照宮」という別名が付けられています。この神社は「アバサマ」として親しまれており、地域の人々に根付いた信仰の象徴的存在です。古名には大杉大明神や大杉大権現、今宮大杉大明神など様々な呼び名があり、その豊かな歴史が伺えます。

所在と神社の地位

大杉神社は、以前の社格は郷社であり、現在は神社本庁の別表神社として認識されています。関東地方や東北地方に分布する約670社の総本社であり、「阿波の大杉神社」として茨城百景に選定されています。神社の位置は、歴史的にも風光明媚な場所にあり、地域の重要な文化財として多くの参拝者を魅了し続けています。

祭神とその信仰

主祭神は倭大物主櫛甕玉命で、配祀として大己貴命と少彦名命がいることが特徴です。創建に際して、大神神社から倭大物主櫛甕玉命が祀られ、その後仁治2年に今宮神社から他の二柱が勧請され、合祀されました。このように神社の祭神構成は大神神社と一致しており、長い歴史を持つ信仰の場所です。

境内には神木の大杉が存在し、社名の由来ともなっています。この巨木は、漁民の守護神として信仰され、航路の目印ともされていたと言われています。また、眷属神として「鼻高天狗」と「烏天狗」が信仰されており、これらの神は神社に様々な幸福をもたらす存在として親しばれています。

歴史的背景

大杉神社の創建は神護景雲元年（767年）とされ、この神社は過去に疫病の流行に苦しむ人々を救済したと伝えられています。僧勝道がこの地を訪れ、神木を神籬とし祈念することで数々の奇跡が起こり、神社が「悪魔ばらえのあんばさま」として崇敬されるようになりました。このように信仰は古代から続いています。

文治年間には、源義経の家来である常陸坊海尊が神社における奇跡の源となり、「人々にとっての大神さまの御眷属」として名を馳せました。こうした伝説が神社の信仰の強化に寄与しており、神社が「日本唯一の夢むすび大明神」とも称される所以です。

火災と復興

過去には何度か火災に見舞われた大杉神社は、明治以降も幸いにして復興され続けています。特に文化10年（1813年）には、困難な状況の中で再興が果たされました。さらに平成18年（2006年）には社殿の復元工事が完了し、現在も多くの参拝者を迎え入れています。

境内の社社

また、大杉神社の境内にはいくつかの神社が各所に存在し、例えば大国神社や天満宮、稲荷神社などがそれぞれの祭神により多様な信仰を集めています。特に勝馬神社は馬の守護神として独自の地位を持ち、古くからの信仰を現代にまで伝えています。

近年の動向

最近では、神社を訪れる人々の増加や各種祭りが行われており、神社の文化財としての重要性や地域住民との関わりも強まっています。あんば囃子などの祭りも無形民俗文化財として注目されており、地域の活性化にも貢献しています。これからも大杉神社は人々に愛され続ける存在であり続けるでしょう。

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