大村のマリナ

大村のマリナ：信仰を貫いた聖女

大村のマリナ（生年不明 - 1634年10月15日）は、江戸時代初期に殉教したカトリック教会の聖人です。彼女はドミニコ会第3会の修道女として、激しい迫害の中、信仰を貫き通しました。1987年、「聖トマス西と15殉教者」の一人として、長崎のマグダレナと共に、日本人女性として初めてカトリック教会の聖人に列聖されました。

生涯

マリナは肥前国大村（現在の長崎県大村市）で生まれたとされていますが、生年は明らかではありません。洗礼名がマリナであること以外、彼女の出自や幼少期の記録はほとんど残っていません。しかし、宣教師たちの記録によれば、マリナは非常に勇敢な女性であったと伝えられています。

ドミニコ会第3会の修道女として誓願を立てたマリナは、キリスト教が激しく弾圧される中で、迫害を受けて苦しむ信者たちを励まし続けました。また、彼女は危険を顧みず、宣教師たちの活動を積極的に支援しました。マリナの信仰心は非常に強く、困難な状況下でも希望を失うことはありませんでした。

しかし、マリナの勇敢な行動は、やがて長崎奉行の知るところとなります。彼女は捕らえられ、裸にされた上で市中を引き回されるという、極めて屈辱的な扱いを受けました。しかし、マリナは人々の前で辱められても、決して恐れることなく、信仰を捨てようとはしませんでした。

1634年10月15日、マリナは長崎西坂の丘において、火刑に処され殉教しました。彼女の殉教は、多くの信者たちの心を揺さぶり、その後の信仰を支える力となりました。

列福と列聖

大村のマリナの信仰と殉教は、その死後も長く語り継がれてきました。そして、1981年、マニラにおいて列福され、福者となりました。さらに、1987年にはローマ教皇ヨハネ・パウロ2世によって、聖人に列聖されました。これは、日本人女性としては長崎のマグダレナと並んで初の快挙であり、日本のカトリック教会にとって大きな喜びとなりました。

大村のマリナは、信仰のために命を捧げた殉教者であり、現代の私たちにとっても、勇気と希望の象徴です。彼女の生き方は、信仰を守り、困難に立ち向かうことの重要性を教えてくれます。

彼女の生涯と殉教は、カトリック教会だけでなく、多くの人々に感銘を与え、今日に至るまで語り継がれています。

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