大森青児

大森 青児（おおもり せいじ）

日本のテレビドラマ演出家、そして映画監督として知られる大森青児氏は、1948年に岡山県岡山市で生まれました。

経歴

同志社大学を卒業後、1972年に日本放送協会（NHK）に入局しました。以来、長きにわたりNHKのドラマ制作の現場で、数多くの作品の演出を務めました。2006年にNHKを退いた後は、株式会社花三の代表取締役に就任しています。さらに、2010年には俳優の育成を目的とした私塾「艸星塾」（そうせいじゅく）を開設し、自ら代表として後進の指導にあたるなど、文化・教育分野でも活動の幅を広げています。

テレビドラマ演出家として

NHK時代には、そのキャリアを通じて非常に多岐にわたるジャンルのドラマ制作に貢献しました。大河ドラマでは『武田信玄』、連続テレビ小説では『鮎のうた』、『はね駒』、『京、ふたり』、『ぴあの』といった、多くの視聴者に親しまれた人気シリーズの演出を手掛けています。

特に、彼の演出作品は数多くの賞を受賞し、高い評価を得ています。1985年に放送された短編ドラマ・シリーズ『私生活』はギャラクシー賞を受賞しました。土曜ドラマ枠では、1992年の『新・王将』で、主演の間寛平が第4回上海テレビ祭国際コンクール主演男優賞を受賞する結果に貢献しました。同年には『株価!! 証券マンの熱い夏』で放送文化基金賞優秀賞を受賞。また、1995年放送のハイビジョン特集ドラマ『天空に夢輝き 〜手塚治虫の夏休み〜』は、第10回ハイビジョン国際映像祭で最高の栄誉とされるグランプリ（アストロラビウム賞）とノンブルドールベストサウンド賞を同時に獲得しました。2002年には月曜ドラマシリーズ『生存 愛する娘のために』で再びギャラクシー賞を受賞するなど、繰り返しその演出力が認められています。

これらの受賞作以外にも、ドラマ人間模様『いつか来た道』、銀河テレビ小説『道頓堀川』、『四捨五入殺人事件』、『たけしくん、ハイ!』、ドラマ新銀河『愛をみつけた』、『京都発・ぼくの旅立ち』、ドラマ愛の詩『いちご同盟』、水曜時代劇『なにわの源蔵事件帳』、『壬生の恋歌』、金曜時代劇『近松青春日記』、時代劇ロマン『一絃の琴』といった作品群を手掛け、時代劇から現代劇まで、幅広いテーマとスタイルで多くのドラマを生み出してきました。

映画監督として

テレビドラマの演出を中心に活動してきた大森氏ですが、2016年には映画監督としても作品を発表しました。同年6月10日に公開された映画『家族の日』がそれに当たります。

現在の活動

NHKを離れた後も、株式会社花三の代表取締役として経営に携わる一方、自身が立ち上げた「艸星塾」で、長年培ってきたドラマ制作の知識と経験を活かし、若い俳優たちの育成に情熱を注いでいます。多様なメディアと分野で、日本の映像文化に貢献し続けています。

もう一度検索