大橋正雄

大橋 正雄について

大橋正雄（おおはし まさお、1918年1月8日 - 1975年10月4日）は、日本の政治家であり、和歌山県の公選知事としてその名を知られています。彼は1967年4月から1975年10月にかけて、3期にわたって知事を務めました。彼の家族には、前和歌山市長の大橋建一がいます。大橋の人生は、波乱万丈であり、多くの困難を乗り越えてきました。

経歴

大橋は和歌山市に生まれましたが、父の仕事の関係で、京畿道京城府（現在のソウル）で誕生しました。彼は第五高等学校を卒業後、1941年に高等試験の行政科を合格し、同年12月には東京帝国大学法学部を卒業しました。その後、内務省に入省し千葉県に配属されました。また、短期現役海軍主計科士官として海軍に入隊し、1943年には主計大尉に昇進しました。

戦後、大橋はGHQの最高司令官、ダグラス・マッカーサーに不快感を抱き、内務省を退職しました。その後、東京都で出版社を設立するものの、事業は失敗に終わり、第24回衆議院議員総選挙に無所属で出馬しましたが落選し、一時家族も分かれざるを得なくなりました。

1949年には、大学の同窓生であった早川崇の紹介を受けて和歌山県庁に入庁しました。この役職では、さまざまな職務に従事し、最終的には副知事にまで昇進しました。

知事としての活動

1967年に執行された和歌山県知事選挙では、大橋が副知事であったことから、候補者として立候補しましたが、他にも数人の候補者がいました。汚職事件により公判中であった高垣が急死したことで、保守系は大橋に支持を集中させました。一方、大橋が京城出身であることから「第三国人」といった中傷が行われるなど、選挙戦は過酷なものでした。しかし、県民の関心は高まり、投票率はなんと82%を記録。最終的に大橋は大差で勝利をおさめ、和歌山県知事に就任しました。

知事としての任期中、大橋は地域に根差した数多くのプロジェクトを推進しました。例えば、1971年の国民体育大会（黒潮国体）では、紀三井寺公園を中心に様々な競技施設を整備しました。また、道路などの公共インフラの整備にも力を入れました。彼はその巨体に反してフットワークが軽く、様々なイベントや現場を訪れる姿勢が評価されました。特に、小野田寛郎がルバング島で発見された際にすぐに現地に駆けつけたことが大きな話題となりました。

しかし、1975年に突如体調が悪化し、和歌山県立医科大学附属病院に入院。診断の結果、大動脈瘤が見つかりました。手術は成功したものの、その後の回復が思わしくなく、10月4日に知事としての任期中に亡くなりました。

参考文献

• - 歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
• - 秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
• - 『海軍主計科士官物語〈短現総覧〉』浴恩出版会、1968年。

結論

大橋正雄の生涯は、政治における数々の業績とともに、多くの困難を克服してきた数奇な人生でもありました。彼が和歌山県民に与えた影響は今なお色あせることはありません。

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