大津町駅 (愛知県)

大津町駅（おおつまちえき）

大津町駅は、かつて愛知県名古屋市中区に位置していた名古屋鉄道瀬戸線の廃止された駅です。この駅は、栄町駅への延伸工事に伴い、外堀区間の廃線と共にその歴史を終えました。駅名は「大津町」でしたが、市電の電停やバス停との混同を避けるため、一般的には「大津橋」という名称で親しまれていました。

駅の概要

大津町駅の周辺は、愛知県庁や名古屋市役所などの官庁街が広がり、名古屋市電・市バスの大津橋停留所、名鉄バス・国鉄バスの県庁前バス停にも隣接していました。そのため、栄や名古屋駅方面への乗り換え拠点として機能し、後年には北側に名古屋市営地下鉄名城線の市役所駅（現在の名古屋城駅）が開業するなど、都心北部の交通における重要な役割を担っていました。

この駅が廃止された後、一時休止していた東大手駅が復活し、大津町駅の代替として急行停車駅となり、現在に至っています。これにより、大津町駅の機能は東大手駅へと引き継がれることとなりました。

歴史

大津町駅は、その歴史の中でいくつかの変遷を辿っています。

1914年（大正3年）以前 - 瀬戸電気鉄道の娯楽園駅として開業。
1923年（大正12年）以降 - 娯楽園駅が廃止。
1926年（大正15年）5月26日 - 娯楽園駅からの改称・改築を経て、大津町駅として再開業（当時は仮駅）。
1930年（昭和5年） - 正式な駅として認可。
1976年（昭和51年）2月15日 - 栄町乗り入れ工事の開始に伴い、廃止。

駅構造

駅の構造は、名古屋城の外堀を利用した掘割構造で、相対式2面2線のホームでした。駅舎は外堀の中にあるにも関わらず、売店などを備えた木造の立派なもので、昭和40年代には増築も行われました。この駅は「お濠区間」で最も乗降客数が多く、本町駅にあったガントレットの影響で堀川駅までが1つの閉塞区間となっていたことや、市電と並行していたことから、特急を含む多くの電車が当駅を発着していました。そのため、駅には折り返し用の渡り線や引き上げ線が設置され、尾張瀬戸方面から到着した電車は一旦堀川駅方向に移動し、折り返して渡り線を渡り、尾張瀬戸方面ホームに入線していました。

現在の状況

現在、駅の施設跡としては、外堀を渡る大津橋の南詰西側から駅舎跡地に降りる階段や手すりが残されています。夏には、草木が生い茂り、駅の跡地を覆い隠しています。また、本町駅との間の外堀は、ホタル（ヒメボタル）の名所としても知られています。

瀬戸線が敷かれていた名古屋城外堀のうち、鉄道用地として不要となった部分は、2012年に名鉄から国土交通省（国道22号部分）および名古屋市（その他）に寄付され、当駅の跡地は現在名古屋市が所有しています。

隣接駅

名古屋鉄道（名鉄）

瀬戸線

本町駅 - 大津町駅 - （久屋駅） - （東大手駅） - 土居下駅

東大手駅は、1944年（昭和19年）から大津町駅廃止後の1978年（昭和53年）まで休止していました。
* 久屋駅は、1941年に休止されたまま廃止されています。

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