大炊御門経音

大炊御門経音（おおいのみかど つねなり）は、江戸時代中期に活躍した公卿です。左近衛中将・大炊御門信名の養子となり、大炊御門家22代当主となりました。最終的な官位は正二位・権大納言にまで昇っています。

経歴

天和2年（1683年）、内藤義竜の子として生まれました。その後、大炊御門信名の養子となり、清華家である大炊御門家の家督を継承します。貞享3年（1686年）に叙爵を受け、以降順調に昇進を重ねました。元禄9年（1696年）には従三位となり、公卿の仲間入りを果たします。

元禄12年（1699年）には権中納言に任じられ、元禄13年（1700年）には正三位に昇進しました。元禄14年（1701年）には、宮中の重要な儀式である踏歌節会の外弁を務めています。宝永3年（1706年）には従二位に進み、宝永5年（1708年）には東山天皇の中宮である幸子女王の中宮権大夫に就任しました。宝永6年（1709年）には権大納言に任じられ、正徳4年（1714年）までその職にありました。この間の正徳2年（1712年）には、正二位に昇進しています。

正徳4年（1714年）、経音は亡くなりました。

人物

経音は、鎌倉時代に大炊御門家が装束着装の家であったことを強く意識していました。そのため、装束に関する書籍を精力的に蒐集したことで知られています。『雅亮装束抄』(『装束秘抄まさすけ』葉室本・宮内庁)、『良宗卿装束抄』(京都府立総合資料館)、『源語装束抄』(宮内庁・斎宮歴史博物館)、『物具抄』(斎宮歴史博物館)など、経音の所持本から書写または対校された資料が少なくありません。これらの資料は、有職故実の研究において重要な役割を果たしています。

系譜

父：内藤義竜
母：不詳
養父：大炊御門信名
正室：菊姫 - 上杉綱憲養女、吉良義央娘
男子：大炊御門経秀
生母不明の子女
* 次男：鷲尾隆熙 - 鷲尾隆長養子

大炊御門経音は、公卿としての活動に加え、装束研究を通じて日本の伝統文化の継承に貢献した人物として評価されています。

もう一度検索