大縣神社

大縣神社について

大縣神社（おおあがたじんじゃ）は、愛知県犬山市に位置する由緒ある神社で、古くから地域の信仰の中心として歴史を刻んでいます。旧社格は式内社に分類され、名神大社や尾張国二宮、旧国幣中社、別表神社に指定されています。新字体で「大県神社」とも表記されることがありますが、音読みは同じです。

歴史と神階

神社の伝承によると、大縣神社は垂仁天皇27年に本宮山の山頂から現在の位置に移転されたとされています。歴史的には、承和14年に無位から従五位下に昇格し、その後も数度にわたって神階が上昇しました。特に、天安3年には従四位上にまで昇格し、名だたる神社としての地位を確立しました。神社に祀られている祭神は、大縣大神（おおあがたのおおかみ）とされ、その正体についても国狭槌尊や天津彦根命、少彦名命の説などがあり多様です。いずれにせよ、大縣大神は尾張国の開拓の祖神として崇敬されています。

神社の境内

大縣神社の境内には、複数の境内社が存在します。かつては二つの別宮と52の末社があったとされ、特に摂社の姫の宮には玉姫命が祀られています。この神社は安産祈願や授かりの神としても知られ、女性の守護神として多くの信仰を集めてきました。また、境内には本宮社があり、ここに大縣大神の荒魂が祀られています。社殿は「大縣造」と呼ばれ、1661年に尾張藩の2代目藩主徳川光友によって再建されました。

さらに、神社は愛知県で二番目に大きな前方後円墳である茶臼山古墳も管理しており、その周囲には古墳群が点在しています。境内の裏手には約300本のしだれ梅が植えられた梅園が広がり、季節になると見事な花が咲き誇ります。

主な祭事

大縣神社では年に数回、重要な祭事が行われます。その一つが豊年祭で、別名「於祖々祭」とも呼ばれるこの祭りは、毎年3月15日の直前の日曜日に実施されます。祭り当日には、それに関連する女陰の形を模した山車が練り歩き、地域の人々により大事にされています。また、この祭りは対照的な田縣神社の男性的な祭りと対になって実施され、男根を模した神輿が奉納されます。

他にも、梅まつりが毎年3月に開催され、梅の花が美しく咲く時期に俳句大会などの文化的な行事が行われます。

文化財

大縣神社は重要文化財を数多く抱えており、特に本殿やその附属の透塀、古図、棟札などが国の重要文化財として指定されています。また、青塚古墳は国指定史跡として広く知られています。

アクセスと周辺の施設

大縣神社へのアクセスは、名鉄小牧線の楽田駅から徒歩約20分、またはコミュニティバスを利用して簡単に訪れることができます。周囲には老人ホームや宗教施設もあり、神社は地域にしっかりと根を下ろしています。さらに、本宮山が近くに広がり、自然豊かな環境で訪れる人々に安らぎを提供しています。

このように、大縣神社は深い歴史と文化を持ち、地域の人々に愛され続けている神社です。

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