大菴須益

大菴須益（だいあん しゅえき）

大菴須益は、室町時代に活躍した臨済宗の僧侶です。大寧寺六世住職、龍文寺四世を務め、瑠璃光寺、安楽寺（和歌山）、長谷寺 （島根）、明窓寺 （島根）、豊龍寺 （山口）、鳳台寺二世を開山するなど、各地の寺院の創建に深く関わりました。

生涯

応永13年（1406年）に薩摩国（現在の鹿児島県）で生まれました。幼少の頃より仏道に親しみ、福昌寺 (鹿児島市)の竹居正猷（ちくご しょうゆう）に師事し、出家しました。竹居正猷が鷲頭弘忠の招きにより大寧寺に移ると、大菴もこれに従い移りました。

その後、竹居正猷が龍文寺を開山すると、器之為璠（きし いはん）が住持となりました。大菴は器之為璠のもとに遣わされ、その薫陶を受けました。宝徳元年（1449年）には、器之為璠より法衣を授けられ、その法脈を継承しました。

寛正4年（1463年）より大寧寺の住持となり、寺院の発展に尽力しました。応仁2年（1468年）に器之為璠が没すると、その後を継いで龍文寺の住持も兼務することとなりました。

文明3年（1471年）には、陶弘房の供養のため、その夫人の発願により仁保瑠璃光寺を開山しました。この寺院は、大菴の功績を記念し、現在も多くの人々に信仰されています。

文明5年3月23日（1473年5月9日）に遷化しました。

大菴須益は、その学識と人徳によって多くの人々に慕われ、室町時代の仏教界に大きな足跡を残しました。彼が開山した寺院は、現在も各地に残り、その教えを伝えています。



参考文献

* 『日本洞上聯燈録』巻6、（「日本洞上聯燈録　巻4～6」、p.p.86-87、龍文器之為璠禅師法嗣 - 国立国会図書館デジタルコレクション）

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