大西五一郎

大西五一郎：明治・大正期の堺を牽引した実業家・政治家

大西五一郎（1858年9月14日 - 1917年2月25日）は、明治時代から大正時代初期にかけて、実業家、政治家として活躍した人物です。衆議院議員、大阪府堺市長を歴任し、地元堺の発展に大きく貢献しました。

生い立ちと初期の活動

大西五一郎は、安政5年8月8日（1858年9月14日）、和泉国大鳥郡堺甲斐町西四丁（現在の堺市堺区）で、代々両替商を営む大西家の長男として生まれました。幼少期は大和国の儒学者、谷三山に師事し、漢籍を学びました。この頃の学問が、後の活動の基礎となったことは想像に難くありません。

実業家としての手腕

1881年（明治14年）には、大西銀行を設立し、頭取に就任。その経営手腕を発揮し、銀行を安定的に運営しました。大西銀行は、地域経済の発展に大きく貢献したと考えられます。また、堺商業会議所副会頭、大阪電機製造取締役、大阪電気信託取締役、市立堺商品陳列所長、第5回内国勧業博覧会評議員など、様々な要職を歴任し、経済界に大きな影響力を持っていました。

政治家としての足跡

1879年（明治12年）に堺区学区取締に就任したのを皮切りに、勧業世話掛長、堺区学区連合会議員、堺市会議員、堺市収入役などを歴任し、地方自治に貢献しました。1896年（明治29年）2月には、第3代堺市長に就任。1905年（明治38年）10月まで市長を務め、上水道や伝染病病院の整備など、市民の生活に密着したインフラ整備に尽力しました。これらの功績は、堺市の近代化に大きく貢献したと言えるでしょう。

1908年（明治41年）5月の第10回衆議院議員総選挙では、大阪府堺市から出馬し、見事初当選を果たしました。その後、1915年（大正4年）3月の第12回総選挙まで連続3期当選し、衆議院議員として国政にも参加しました。公正会に所属し、予算委員、工場法案委員、地租条例改正委員などを務め、様々な政策の実現に尽力しました。

急逝とその後

1917年（大正6年）2月23日、第13回衆議院議員総選挙の準備中に堺市大浜通旭館で卒倒し、2日後の2月25日に死去しました。突然の訃報は、多くの人々に惜しまれました。

著作

宮本通義との共著として『堺市繁栄政策』があります。この著作は、当時の堺市の状況や今後の発展について考察したもので、貴重な資料となっています。

大西五一郎は、実業家、政治家として、堺の発展に大きく貢献した人物です。その功績は、今もなお堺の地に息づいています。

もう一度検索