大西祥平 (ライター)

大西祥平：漫画への情熱を燃やす「漫ぶらぁ〜」

大西祥平（おおにし しょうへい、1971年 - ）は、漫画収集家、漫画評論家、漫画原作者、そして書店員という、多彩な肩書きを持つ人物です。東京都六本木出身で、成城学園高校、多摩美術大学を卒業後、京都精華大学マンガ学部マンガプロデュースコースの学科講師も務めています。

異色の経歴と「漫ぶらぁ〜」としての活動

大西氏は、東京・六本木という都会的な環境で育ちました。高校時代には、タレントのなべやかんと同級生だったというエピソードも持っています。大学卒業後に関西へ移り、京都の名物書店である恵文社一乗寺店に勤務。アルバイト店員でありながら、1997年には「川崎ゆきお原画展」といった独自の企画を実現させました。また、DJになぞらえて「マンガ・ジョッキー」と自称し、レアな漫画をスライドで紹介する活動も行っていました。さらに、バンド活動にも精を出すなど、多才な一面を覗かせています。

B級漫画の魅力の発信と「古本ハムサラダ」

古書店で収集した膨大なB級漫画を紹介するサイト「ニュー漫画大学」（西形好司と共同運営）は、そのマニアックな内容が評判を呼びました。水声社から刊行された『マンガ地獄変』シリーズでは、メインライターとしてその才能を発揮。同シリーズで執筆をしていた吉田豪とは、後に古本収集コンビ「古本ハムサラダ」を結成し、その活動を広げています。

1998年には東京の実家に戻り、オルタナショップ・タコシェの店員として勤務しながら、『アックス』『映画秘宝』『CONTINUE』など、様々な雑誌で漫画評論や紹介、漫画家へのインタビューを行っています。また、漫画原作者としても活躍の場を広げ、多岐にわたる活動を続けています。

漫画復刻への情熱

大西氏は、復刻レーベル「ひよこ書房」「グッピー書林」を立ち上げ、自費出版でレアな漫画作品の復刻活動にも尽力しています。特に、「ひよこ書房」では、青林工藝舎の編集者・斧田小（浅川満寛）氏と共同で、松本正彦や早見純といった漫画家の作品を復刻しています。また、「グッピー書林」では、まんだらけ中野店の店長・辻中雄二郎氏と共に、飯島市朗や陽気幽平といった漫画家の作品を復刻しており、漫画史における貴重な作品を後世に伝える活動を行っています。

多岐にわたる著作活動

大西氏は、漫画評論や紹介だけでなく、数多くの著作も発表しています。
『マンガ地獄変』シリーズでは、植地毅、宇田川岳夫、大久保太郎らと共著で、マニアックな漫画の世界を紹介しています。また、『FUSION AOR DISC GUIDE』では、真下弘孝氏と共同でAOR音楽の魅力を解説しています。さらに、山松ゆうきち、ジョージ秋山といった漫画家の作品集の編集・監修も手掛けるなど、その活動は多岐にわたります。また、小池一夫の伝説をまとめた『小池一夫伝説』も執筆しています。

漫画原作者としても、「警視正大門寺さくら子」や「勝ち組フリーター列伝」、「涅槃姫みどろ」など、様々なジャンルの作品を手がけています。また、「極道めし」では、協力として作品に携わっています。

大西祥平の漫画愛

大西祥平は、単なる漫画ファンという枠を超え、漫画文化を深く愛し、その魅力を多方面から発信する、まさに「漫ぶらぁ〜」と呼ぶにふさわしい人物です。彼の活動は、漫画という文化をより深く理解するための重要な手がかりとなるでしょう。

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