大貫良夫

大貫良夫

大貫良夫（おおぬき よしお、1937年6月17日 - ）は、日本の著名な文化人類学者であり、東京大学教養学部名誉教授です。書家である大貫思水を実父に持ちます。

略歴

1937年、東京に生まれ、東京大学教養学部文化人類学科を卒業。その後、東京大学教養学部の助教授に就任し、後に同大学院総合文化研究科の教授に昇格しました。1998年に東京大学を定年退官し、名誉教授の称号を得ました。退官後も研究活動は衰えず、1998年から2024年まで野外民族博物館リトルワールドの館長を務め、文化人類学の普及に貢献しました。また、クントゥル・ワシ博物館の館長も務めています。

研究内容・業績

専門は文化人類学であり、特にラテンアメリカをフィールドとして、古代文明の研究に力を注ぎました。中でも、ペルーのクントゥル・ワシ（Kuntur Wasi）遺跡における神殿発掘調査に深く関わり、その成果は学術的に高く評価されています。クントゥル・ワシは、アンデス文明の初期における重要な宗教的中心地であり、その発掘を通じて古代アンデスの文化や社会構造の解明に大きく貢献しました。

著作

大貫良夫は、数多くの著作を通じて文化人類学の知見を広めています。以下に主な著作を挙げます。

著書

(記述なし)

共著・編著

『文明の誕生』(ビジュアル版 世界の歴史 1) 江坂輝弥共著、講談社 1984
『民族移動と文化編集』NTT出版 1993
『モンゴロイドの地球：最初のアメリカ人』東京大学出版会 1995
『文化人類学の展開』木村秀雄共編、北樹出版 1998
『人類の起原と古代オリエント』(世界の歴史 1) 前川和也・渡辺和子・屋形禎亮共著、中央公論社 1998、文庫化 中公文庫 2009
『生態の地域史』川田順造共編、山川出版社 2000
『古代アンデス：神殿から始まる文明』加藤泰建・関雄二共著、朝日選書 2010

訳書

『南米の謎をさぐる』(図説探検の世界史 7) マーシア・ウィリス著、集英社 1975
『アマゾニア：偽りの楽園における人間と文化』B・J・メガーズ著、現代教養文庫'>[社会思想社] 1977
『幻の民トゥパリ』フランツ・カスパール著、照島君子共訳、集英社 1977
『最古のアメリカ人』ロバート・クレイボーン編、タイムライフブックス 1977
『文明の誕生』コリン・レンフルー著、[岩波書店] 1979
『アンデス登攀記』(全2巻) エドワード・ウィンパー著、岩波文庫 2004-2005
『新世界の文明』ヨラン・ブレンフルト著、朝倉書店 2005

これらの著作は、文化人類学、考古学、歴史学など、幅広い分野の研究者や学生にとって貴重な資料となっています。特に、アンデス文明に関する研究は、日本におけるアンデス研究の発展に大きく寄与しました。

大貫良夫は、研究者としてだけでなく、教育者としても多くの人材を育成し、日本の文化人類学の発展に大きく貢献した人物として、その功績は永く記憶されることでしょう。

外部リンク

論文一覧（KAKEN、CiNii）
大貫良夫 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース
精神のエクスペディシオン

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