大道寺繁禎

生涯

大道寺繁禎は、文久2年（1862年）に1200石の家督を相続し、弘前藩の家老に就任しました。藩政時代には、大寄合、側役、学校惣司などを歴任し、藩の要職を担いました。

明治元年（1867年）の戊辰戦争では、青森口軍事総轄として軍を指揮し、戦後は権大参事、郡長、執政などを務め、新政府における地方行政に貢献しました。明治6年（1873年）には区長に就任し、地域の発展に尽力しました。

その後も、明治12年の県会議員就任をはじめ、南津軽郡郡長、中津軽郡長などを歴任し、地方政界で活躍しました。実業家としても手腕を発揮し、第五十九銀行（現在の青森銀行）の頭取、農牧社や弘前電燈の社長を務めました。特に、弘前農具会社（現在の角弘）の設立に尽力したことで知られています。明治40年（1907年）には弘前市立図書館長に就任し、文化振興にも貢献しました。

大正8年（1919年）、狭心症のためこの世を去りました。

人物

幼少の頃から病弱でしたが、学問を好み、特に漢学と和歌に傾倒しました。楸舎、楸園などの号を使い、文化人としても知られていました。慶応4年には江戸に出て、近衛忠煕や佐々木弘綱に師事し、漢学や和歌の知識を深めました。また、高崎正風や阪正臣とも親交がありました。

「陸奥史談会」の設立や歌道の奨励に力を注ぎ、数百人を超える弟子を育てました。清廉な人柄で、公共事業には私財を投じ、生涯を「清水居」と名付けた屋敷で過ごしました。

明治39年（1906年）に開催された「藩祖三百年祭」では実行委員長を務め、弘前教育会の依頼に応じて初代「弘前市民の歌」を作詞しました。この歌は、現在も弘前市民に親しまれています。

参考文献

「青森県人名大事典」1969年、東奥日報社

脚注

関連項目
* 祝 (リンゴ)

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