大避神社

大避神社（おおさけじんじゃ）

大避神社は、兵庫県赤穂市坂越にある神社で、宝珠山の麓に位置しています。この神社は、県社の旧社格を持ち、特に「坂越の船祭り」として知られる祭りは、重要無形民俗文化財にも指定されています。

祭神

神社の祭神には、大避大神（秦河勝）、天照皇大神、春日大神が祀られています。特に大避大神は、秦河勝を指し、その重要性が強調されています。

歴史

秦河勝は、3世紀頃に大陸から倭国に渡来した秦氏の祖であり、飛鳥時代の重要な歴史的人物です。彼は聖徳太子の支持を受け、広隆寺を建立し、国宝として名高い弥勒菩薩半跏思惟像を安置したとされています。既に広隆寺のすぐ近くには大酒神社が存在し、神仏分離政策によってこの神社も遷座したと考えられています。

秦河勝は645年頃、坂越に移り、地元民によってその霊が祀られることとなり、この神社が創建されました。また、神社の正面に浮かぶ生島には秦河勝の墓があり、現在でも立ち入りが禁じられています。神社には、河勝が彫ったとされる1300年前の蘭陵王の面が伝わっており、これが雅楽に使用される貴重な宝物として大切にされています。

別の伝承では、安閑天皇の皇子である豊彦王が大辟大明神であるという記述もあり、日ユ同祖論においては、秦氏の起源に関する独特の説が提唱されています。

境内の特徴

神社の本殿は1769年に再建され、拝殿や神門も1746年に再建されています。神門は神仏習合の影響を受けた造りとなっており、随神と仁王像が配置されています。また、境内には江戸時代からの絵馬が掲げられる絵馬堂があり、特に享保7年の船絵馬は重要な文化財となっています。

祭事と文化財

毎年10月の第2日曜日に行われる坂越の船祭りは、秦河勝が坂越に渡来した伝承を再現する祭りで、全国でも珍しい伝統的な和船の祭礼として広く知られています。祭りは、1日目には生島での墓前祭と獅子舞が行われ、2日目には神幸式が行われ、華麗な船行列が巡る様子が特徴です。

船祭りに使われる和船は兵庫県指定の有形民俗文化財でもあり、古来からの伝承や造船技法が継承されています。坂越の船祭りは国内で重要な無形民俗文化財として指定されており、その文化的な価値が認められています。

現地情報

大避神社は兵庫県赤穂市坂越1297に位置しており、最寄駅はJR西日本赤穂線の坂越駅です。周辺には坂越まち並み館や赤穂の歴史を感じるスポットが数多くあります。生島は国の天然記念物にも指定されており、自然景観も楽しめる場所です。周囲の豊かな自然と共に、文化的な魅力を持つ大避神社は訪れる人々に多くの感動を与えることでしょう。

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