大野寛

大野 寛の生涯

大野 寛（おおの ひろし、1883年3月31日生まれ - 1956年10月6日没）は、日本の海軍軍人として長いキャリアを築き、最終的には海軍中将に至りました。彼は愛知県出身で、若い頃から海軍に身を投じました。

経歴の概要

大野は1904年11月に海軍兵学校32期を卒業し、少尉候補生としてまずは日露戦争へ参加しました。彼は「韓崎丸」に乗り込み、その後「対馬」に移って日本海海戦に挑みました。海軍少尉に任官されたのは1905年8月のことで、この時から彼の海軍キャリアは本格的にスタートしました。

その後、大野は海軍大学校や海軍砲術学校で学び、海軍少佐に昇進したのは1915年12月のことです。海軍砲術学校では教官として後進を育成し、1917年には第2水雷戦隊の参謀を務めました。これに続いて横須賀鎮守府での参謀や、艦船の砲術長など重要な役職を経て、1920年には海軍中佐に昇進しました。

彼は1921年に「球磨」の副長となり、さらには「山城」の副長としても活躍。その後「室戸」の特務艦長に任命され、1924年には海軍大佐に昇進し、砲術学校の教頭に就任しました。

1926年には、横須賀鎮守府所属として「球磨」、「比叡」、「日向」の艦長として艦隊を指揮し、1929年には海軍少将に昇進。砲術学校長の役職に就いた彼は、1931年に第1潜水戦隊司令官に任命され、その後大湊要港部司令官や第1戦隊司令官を歴任しました。

最終的に、1934年11月には海軍中将に昇進し、馬公要港部の司令官を務めることに。彼は1935年に軍令部へ移り、翌年3月には待命、さらに予備役に編入されました。

栄典と位階

大野は名誉ある位階を多数受けており、1905年10月には正八位、1907年には従七位、1909年には正七位を授与されました。1915年には従六位を、1930年には正五位を受け取り、1934年には従四位へと昇進しました。さらに、1936年には正四位となり、その栄誉は彼の長い軍歴を物語るものです。

また、大野は1912年に勲五等瑞宝章を受章するなど、数々の勲章を身に受けました。彼の貢献は海軍の発展に寄与し、多くの後輩たちに影響を与えたと言えるでしょう。

最期の時

大野寛は1956年にその生涯を終えました。彼の業績は、海軍におけるリーダーシップの例に見られるように、長きにわたり後世に影響を与えたことでしょう。その愛国心と指導力は、多くの海軍関係者に今なお語られています。

参考文献

• - 外山操編『陸海軍将官人事総覧 海軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
• - 福川秀樹『日本海軍将官辞典』芙蓉書房出版、2000年。
• - 海軍歴史保存会編『日本海軍史』第9巻、発売:第一法規出版、1995年。

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