大野岳 (鹿児島県)

大野岳は、九州の薩摩半島南部に位置する南薩[[火山群]]に属する火山です。この山は、主に輝石安山岩で形成された小型の成層[[火山]]であり、後期更新世に形成されたと考えられています。ただし、形成年代については、11万年前に噴出した阿多火砕流よりも古いか新しいかで、研究者の間で意見が分かれています。

大野岳には、南側と西側から登山道が設けられており、山腹を螺旋状に登る自動車道路も山頂付近まで続いています。山頂には展望台が設置されており、西方には南薩台地、東方には池田湖や鹿児島湾、南方には開聞岳や東シナ海といった雄大な景色を一望することができます。また、山頂付近には大野岳神社や頴娃中継局も存在します。

大野岳の植生は、中腹にはタブノキ、マテバシイ、スダジイ、イスノキなどの自然林が広がり、頂上付近にはススキ、チガヤ、ゴキダケなどが分布しています。また、絶滅危惧種に指定されているキバナチゴユリやナンゴクウラシマソウといった貴重な植物も確認されています。

1987年には、山頂付近の24.3ヘクタールが生活環境保全林に指定され、大野嶽自然公園として整備されました。公園内には道路、駐車場、広場などが設けられ、訪れる人々が快適に自然を楽しめるようになっています。毎年春には、えい新茶・大野岳マラソン大会が開催され、大野岳登山コースも設定されており、地域住民に親しまれる山となっています。

参考文献
頴娃町郷土誌編集委員会編　『頴娃町郷土誌　改訂版』　頴娃町、1990年

関連項目
南薩[[火山群]]

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