大阪市立佃小学校

大阪市立佃小学校の歴史と概要

大阪市立佃小学校は、大阪府大阪市西淀川区佃に位置する公立小学校です。長い歴史と伝統を誇り、地域社会に密着した教育活動で知られています。その歴史は明治時代初期にまで遡り、1874年2月5日、西成郡第五区第八番小学校として開校しました。当初は仮校舎として正行寺を使用していましたが、1878年9月には新校舎が竣工し、現在の佃1丁目5番地付近に移転しました。この新校舎建設には、近隣住民が協力して佃川から資材を運び上げたという逸話が残っています。

その後、学校制度の変遷とともに数度の改称を経て、明治中期には西成郡佃尋常小学校となりました。1919年には現在地に移転し、1925年には大阪市に編入されたことに伴い、大阪市佃尋常小学校と改称されました。

学校の歴史には、幾多の困難が刻まれています。1934年の室戸台風では、地域一帯に甚大な被害をもたらし、佃小学校も校舎が全壊するほどの被害を受けました。太平洋戦争中は、1944年以降、戦局の悪化に伴い、大阪市内の国民学校児童を対象とした学童疎開が行われました。西淀川区の国民学校は香川県と徳島県が疎開先となり、佃国民学校では3年生以上の児童が香川県東かがわ市へと疎開しました。1945年には低学年児童も疎開することになり、島根県へと集団疎開しました。同年6月26日の第五次大阪大空襲では校舎が半焼し、使用不可能となりました。しかし、これらの困難を乗り越え、1947年には学制改革により、現在の大阪市立佃小学校となりました。

1947年12月には校舎の復旧工事が完了し、新校舎が建設されました。1965年には、東京都中央区立佃島小学校と姉妹校の交流が始まりました。これは、学校所在地である佃と東京都中央区佃のつながりを象徴する出来事であり、両校の児童たちは毎年交流会を開催し親交を深めています。近年では、ICT技術を活用し、オンラインで交流会を実施するなど、時代の変化に対応した交流方法も取り入れられています。

学校所在地の佃地域は、かつては農村・漁村でしたが、昭和時代初期には重工業地帯へと変貌を遂げました。その後、1970年代以降は工場の撤退が進み、跡地には住宅開発が進められました。これに伴い、地域の人口が増加し、佃小学校も児童数の増加による過密化に直面しました。この問題に対処するため、1977年には分校が設置され、1979年には大阪市立佃西小学校として独立開校しました。

1995年の阪神・淡路大震災では、校舎に亀裂などの被害を受け、校区でも家屋の全半壊や液状化現象などの被害が発生しました。震災直後には、避難住民を受け入れるなど、地域社会との連携を強固にしました。その後、1999年には校舎の復旧工事が完了し、新たな校舎が完成しました。

大阪市立佃小学校は、創立以来、幾多の困難を乗り越え、地域社会に貢献し続けてきました。今後も、子どもたちの成長を支えるために、教職員一同が尽力していくことでしょう。

年表

以下に、大阪市立佃小学校の主な歴史的出来事を年表形式で示します。

1874年2月5日：西成郡第五区第八番小学校として開校
1878年9月：新校舎竣工、移転
1879年：西成郡佃小学校に改称
1881年11月：西成区役所部内第6学区佃小学校に改称
1888年10月：村立佃尋常小学校に改称
1890年4月：村立簡易小学校に改称
1893年4月：佃尋常小学校に改称
1919年：現在地に移転
1925年：大阪市への編入により、大阪市佃尋常小学校に改称
1925年6月：大阪市立千船幼稚園を併設
1934年：室戸台風により校舎全壊
1937年：バラック校舎完成
1941年：国民学校令により大阪市佃国民学校に改称
1944年：香川県へ集団疎開
1945年：空襲により校舎使用不可能となる、千船幼稚園焼失
1947年4月：学制改革により大阪市立佃小学校に改称
1947年12月：校舎復旧、新校舎建設
1965年：東京都中央区立佃島小学校と姉妹校交流開始
1977年：分校設置
1979年4月1日：分校が大阪市立佃西小学校として独立開校
1995年：阪神・淡路大震災により被害
1999年：新校舎完成

姉妹校交流

大阪市立佃小学校と東京都中央区立佃島小学校は、江戸時代に佃から佃島へ移住した漁民の歴史的つながりを背景に姉妹校として交流しています。毎年、児童代表や教職員が互いの学校を訪問し、交流会を開催しています。近年はオンラインでの交流も行われています。

交通アクセス

阪神本線千船駅から北へ約800m、または大阪シティバス・阪神バス佃バス停から徒歩圏内です。

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