大阪市立聖賢小学校

大阪市立聖賢小学校（おおさかしりつ せいけん しょうがっこう）は、大阪府大阪市城東区に所在する公立小学校です。

概要

本校は、1918年（大正7年）に鯰江第二尋常小学校として設立されました。その後、聖賢国民学校への改称を経て、1947年（昭和22年）の学制改革に伴い、現在の大阪市立聖賢小学校という名称になりました。

学校名の「聖賢」は、かつて学校の近くを流れ、現在は埋め立てられている鯰江川に架かり、児童の通学路として利用されていた「聖賢橋」から名付けられました。この橋の名前には、「この橋を渡って通う子どもたちが、聖人のような知徳を兼ね備え、物事の道理に通じた賢人となるように」という、聖人賢士が渡る橋であってほしいとの願いが込められていました。その願いが、学校の名称にも引き継がれています。

聖賢小学校では、児童会が中心となって、京橋駅で1945年（昭和20年）8月14日に発生した「京橋駅空襲」を題材にした平和学習に積極的に取り組んでいます。毎年8月14日に行われる京橋駅空襲被災者慰霊祭には、児童代表が参列し、千羽鶴の奉納や平和への思いを込めた作文の朗読を行っています。この活動は、地域における戦争の記憶を語り継ぎ、平和の大切さを学ぶ貴重な機会となっています。

沿革

学校の歴史は、1915年（大正4年）に当時の東成郡鯰江村に設置された、東成郡鯰江尋常小学校（現在の大阪市立鯰江小学校）の分教場に始まります。これが発展し、1918年（大正7年）4月1日に東成郡鯰江第二尋常小学校として独立した学校として開校しました。

1925年（大正14年）4月1日には、鯰江村が大阪市に編入されたことに伴い、大阪市鯰江第二尋常小学校と改称されました。

1934年（昭和9年）9月21日に来襲した室戸台風では、学校は甚大な被害を受けました。校舎が倒壊し、その下敷きとなって児童22人、訓導（教員）1人、保護者1人の尊い命が失われました。さらに、児童59人と教員2人が重軽傷を負うという悲劇に見舞われました。この被害は、同台風による大阪市内の小学校における死傷者数において、鶴橋第二尋常小学校（現在の北鶴橋小学校）、鯰江第三尋常小学校（現在の今福小学校）に次ぐ規模でした。

1941年（昭和16年）4月1日、国民学校令の施行により、大阪市聖賢国民学校へと校名を変更しました。大阪市では、国民学校への改編にあわせて、「地域名＋創立順の番号」という形式の小学校名を廃止し、地域にゆかりのある名称に変更する方針が打ち出されました。この方針に基づき、地域の聖賢橋に由来する「聖賢」という校名が選ばれました。

第二次世界大戦中の1943年（昭和18年）2月22日には、旭区（同年4月の行政区再編で城東区の一部となる）蒲生町3丁目に分校を設置しました。この分校は、戦後の1954年（昭和29年）8月31日に廃止されています。

太平洋戦争の戦況悪化に伴い、大阪市を含む大都市圏の国民学校3年生以上の児童に対しては、1944年（昭和19年）以降、学童疎開の指示が出されました。大阪市では、原則として縁故疎開が奨励されましたが、縁故のない児童は学校単位での集団疎開に参加することになりました。城東区の国民学校からは、福井県への集団疎開が割り当てられました。

聖賢国民学校では、1944年以降、福井県福井市や足羽郡下文珠町（現：福井市の一部）への集団疎開が実施されました。しかし、疎開先の福井市は1945年（昭和20年）7月19日の福井空襲により被災しました。幸いにも児童や教職員に人的被害はありませんでしたが、疎開先の宿舎は焼失しました。

終戦後、1947年（昭和22年）4月1日の学制改革により、小学校の名称は大阪市立聖賢小学校と改められ、現在の名称となりました。

その後の学校の歩みとしては、1963年（昭和38年）に標準服が制定され、1968年（昭和43年）2月8日には道徳教育推進校に指定されています。また、同年4月1日には養護学級（現在の特別支援学級）が設置されるなど、教育環境の整備が進められてきました。

通学区域および進学先

聖賢小学校の通学区域は、大阪市城東区の中央1丁目、中央3丁目の一部、蒲生1丁目から4丁目、今福南1丁目の一部、新喜多1丁目および2丁目、新喜多東1丁目の一部、鴫野東3丁目の一部、今福西1丁目の一部にわたります。

卒業生は、原則として大阪市立蒲生中学校へ進学します。

交通アクセス

大阪メトロ長堀鶴見緑地線および今里筋線 蒲生四丁目駅より南西へ約700メートル。
JR片町線（学研都市線）および大阪メトロ今里筋線 鴫野駅より北へ約950メートル。
* JR大阪環状線および京阪本線 京橋駅より東へ約1キロメートル。

これらの駅からのアクセスが可能で、地域の中心部に位置しています。

もう一度検索