大韓民国ウォン

大韓民国ウォンの概要

大韓民国ウォン（대한민국 원）は、韓国の公式通貨として広く使用されています。一般的に韓国ウォンと呼ばれ、韓国銀行がその発行を担当しています。通貨の製造は韓国造幣公社が行っており、日本国内での両替に関してはかつては厳しい規制がありましたが、2002年のサッカーワールドカップをきっかけに規制が緩和され、郵便局や銀行でも両替ができるようになりました。

また、日本では多くの外国硬貨同様に、ウォン硬貨の両替が原則的に不可能であり、両替サービスを利用する際には不利な為替レートが適用されることが多いです。

漢字表記と表記の違い

ウォン（원）は、漢字で「圓」と記されることから、漢字圏の人々の間では「元」との混同が見られることもあります。ただし、韓国国内では公式に漢字表記は使用されません。中国語圏では、ウォンは繁体字で「韓圓」または「韓元」と表記され、簡体字では「韩元」や「韩币」という表記が使われます。日本円は韓国語で「엔」（エン）と書かれ、中華人民共和国の元は「위안」（ウィアン）と表記されています。

歴史的な変遷

大韓民国の通貨には長い歴史があり、これまでに2回のデノミネーションが行われました。1945年に旧ウォン（圓）が導入された後、1953年にはファン（圜）が導入され、さらに1962年には新ウォンが導入されました。1945年の時点で日本の朝鮮銀行は解体され、1945年10月には15ウォンが1米ドルに相当する状況でしたが、その後のインフレにより通貨の価値は急落しました。

朝鮮戦争中の1951年には、ウォンの価値は6,000ウォン＝1ドルにまで落ち込みましたが、1953年にファン制度が導入され、1ファンは100旧ウォンとして新たな通貨が流通することになりました。

続いて1962年の新ウォンの導入で、1ウォンが10ファンに交換され、1ドルは125ウォンに固定されました。この改革によって、インフレーションが緩化したものの、1970年代から1980年代初頭にかけての経済的混乱によって再度の価値低下が見られました。

1980年代には為替制度において変動相場制が導入され、1997年のアジア通貨危機の際にはウォンの価値が著しく下落しました。それ以降、キャッシュレス社会が進行し、韓国では電子決済が主流となってきましたが、今でも現金のみが通用する場所は存在します。

現在の流通貨幣

大韓民国ウォンには様々な紙幣と硬貨が存在し、最新のデザインの紙幣が2006年から2007年にかけて導入されました。新紙幣には偽造防止技術が導入され、サイズも小さくなり、色彩やデザインも現代風に改良されています。現行の紙幣シリーズでは、50,000ウォン紙幣を含む新たな高額紙幣が流通し、2009年には50,000ウォン紙幣が公式に発行されました。

さらに、2018年平昌オリンピックを記念して発行された2,000ウォン紙幣は、韓国ウォンとしては初の記念紙幣となりました。

まとめ

大韓民国ウォンは、その歴史を通じて数回の通貨変更を経て、現在の形に至りました。紙幣と硬貨がそれぞれの役割を果たしつつ、特に電子決済が普及する中で韓国経済に大きな影響を与えています。このような背景を理解することで、ウォンの重要性やその経済的な影響を深く知ることができるでしょう。

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