大龍寺 (岐阜市)

大龍寺

大龍寺は、岐阜県岐阜市にある臨済宗妙心寺派の寺院です。金粟山（きんぞくさん）という山号を持ちますが、一般には「こんぞくさん、だいりょうじ」と読まれます。通称「だるま観音」として親しまれ、岐阜市の北端、山県市高富に隣接することから「高富大龍寺」とも呼ばれます。

ご本尊とご利益

大龍寺のご本尊は、腹帯子安観世音菩薩と達磨大師です。子授け、安産、虫封じにご利益があるとされ、多くの人々が訪れます。また、美濃三十三観音霊場第十一番札所、美濃七福神（福禄寿）の霊場としても信仰を集めています。

歴史

大龍寺は、飛鳥時代の持統天皇の時代に国家鎮守の寺として創建されたと伝えられています。平安時代には真言宗に改宗しましたが、安元元年（1175年）に後白河法皇が腹帯子安観世音菩薩を安置し、本尊としました。

明応年間（1492年 - 1501年）には、土岐氏の強い要望により瑞翁和尚が招かれ、文亀2年（1502年）に臨済宗に改宗、達磨大師が安置されました。

永禄年間（1558年 - 1570年）には、別伝の乱という禅宗の宗派争いに巻き込まれ、大龍寺五世の龍谷が斎藤義龍に加担したため、本山妙心寺から除籍されるという苦難も経験しました。その後、一時衰退しましたが、天正年間（1573年 - 1592年）に再興されました。

平成8年（1996年）には、高さ5mの達磨大師坐像が安置され、現在に至ります。

だるま供養

大龍寺では、達磨大師の分身として「祈願だるま」が授与されています。願いが叶い両目を入れ奉納された約1万体ものだるまを、毎年第2日曜日に丸一日かけて供養する「だるま供養」が行われます。これは、かつて1月18日に行われていたものが、平成19年から変更されたものです。

文化財

大龍寺には、数々の貴重な文化財が所蔵されています。

岐阜県指定重要文化財

紙本水墨仙厓筆老子図
紙本水墨仙厓筆狗子仏性図
紙本著色白隠筆白沢ノ図、観音像

岐阜市指定文化財

絹本著色悟渓国師頂相
絹本著色瑞翁国師頂相
絹本著色快川国師頂相
* 快川国師書跡

所在地

岐阜県岐阜市粟野2339

交通アクセス

岐阜バス「高富大龍寺前」バス停から徒歩2分です。

JR岐阜駅バスターミナル

11番のりばから「高富」「山県市役所前」「岐阜女子大」「谷合」「塩後」「板取門原」「洞戸栗原」「山県高校」「美濃市駅（岐北病院経由）」「中濃庁舎（岐北病院経由）」行きのバスが利用できます。

名鉄岐阜のりば

4番のりばから「高富」「山県市役所前」「岐阜女子大」「谷合」「塩後」「板取門原」「洞戸栗原」「山県高校」「美濃市駅（岐北病院経由）」「中濃庁舎（岐北病院経由）」行きのバスが利用できます。

催事

境内には約3,000坪の庭園があり、約1,000本のドウダンツツジが植えられています。紅葉の名所として知られ、春と秋には庭園が一般開放（有料）されます。

毎年8月18日、19日には灯篭まつりが開催されます。

大龍寺は、その歴史と文化、美しい自然に触れることができる場所として、多くの人々に親しまれています。

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