天地を喰らう (アーケードゲーム)
1989年4月、カプコンはアーケードゲーム市場に、本宮ひろ志の漫画を原作としたベルトスクロールアクションゲーム『天地を喰らう』を投入しました。本作は『Dynasty Wars』という名称で海外にも展開され、その後、1990年には欧米で様々なパーソナルコンピュータ向けに、1994年には日本国内でPCエンジンSUPER CD-ROM²向けに移植版が発売されました。近年では、2021年リリースのNintendo Switch用ソフト『カプコンアーケードスタジアム』にも収録されています。
本作の大きな特徴は、プレイヤーキャラクターが常に馬に乗った状態で戦うという点です。操作はレバーによる移動に加え、攻撃と計略それぞれに対応した3つのボタンを使用します。攻撃ボタンを押し続けることで攻撃の威力を高める「溜め」が可能であるほか、レバーでキャラクターを前進させながら、攻撃ボタンで後方の敵を攻撃するといった独特の操作感（ショット方向撃ち分けに似た感覚）が実現されています。また、特定の操作で繰り出せる必殺技として、攻撃ボタン連打の「流星剣」や溜め攻撃からの「真空剣」が存在します。プレイヤーキャラクターの体力は数値で表示され、敵を倒して経験値を獲得することでレベルアップし、体力の最大値が増加します。ステージ中に現れる青い球状のアイテムを二つ集めると出現する「武器パネル」を取得すれば、より強力な武器へと変更できます。
計略ボタンを押すと、プレイヤーキャラクターの現在の体力を一定量消費して強力な「策略」を発動できます。この策略は、発動する場面によって「火計」「爆裂」「落石」「伏兵」のいずれかが自動的に選択されます。策略は敵を一掃するのに有効ですが、体力を大きく消耗するため、体力回復アイテムの状況などを考慮して慎重に使用する必要があります。プレイヤーの体力はステージをクリアしても完全には回復しない仕様となっています。
ゲームは全八つのラウンドで構成されており、黄巾の乱から董卓討伐までの三国志序盤の物語が展開されます。各ラウンドの終わりには強力なボス敵将が待ち構えており、中にはラウンド途中で中ボスとして登場する者もいます。登場する敵将には程遠志、張角、華雄、呂布、董卓といった歴史上の人物が多く含まれ、彼らはプレイヤーと同様に馬に乗って戦うことが多く、戦闘前には短い会話シーンが挿入されることもあります。最終ラウンドでは、本作の最終ボスである董卓がプレイヤーの前に立ちはだかります。
プレイヤーが操作できる武将は、劉備、関羽、張飛、趙雲の四人から選択します。二人同時プレイ時には異なる武将を選択して協力して進めます。キャラクターには個性があり、張飛と関羽は敵に大ダメージを与えるパワー型、趙雲と劉備は機動力が高く計略を使いこなすスピード＆計略型としてタイプ分けされています。また、物語の進行に合わせて諸葛亮が登場し、プレイヤーのレベルアップ時や窮地に陥った際に画面を通じてアドバイスを与えてくれます。策略の「伏兵」が選択された際には、原作漫画にも登場する火虎、周超、宋仁、宋勇といった面々が助っ人として駆けつけ、プレイヤーと共に戦ってくれます。
移植版の中で特に知られているのが、1994年発売のPCエンジンSUPER CD-ROM²版です。このバージョンは、当時のハードウェア性能の都合から、キャラクターのグラフィックが小さくなったり、同時に表示される敵の数が減少したりといったアーケード版との違いが見られました。プレイ人数も一人専用となり、アーケード版で複数種類あった策略は、体力消費型の画面全体攻撃として統一されています。しかし、ゲーム性はアーケード版の楽しさを引き継ぎつつ、難易度を調整したモードが追加されるなど遊びやすさへの配慮も見られます。さらに、PCエンジン版ではアーケード版にはなかった声優によるボイスが多数追加されており、プレイヤーキャラクターや敵将、イベントシーンがより生き生きと表現されています。エンディングもアーケード版の続編告知から変更され、原作漫画のカットや新規スタッフクレジットが追加されたオリジナルの内容となりました。家庭用ゲーム機でのアーケード版の完全移植としては、2021年にNintendo Switchでリリースされた『カプコンアーケードスタジアム』への収録が初となります。
アーケード版『天地を喰らう』はリリース当時、ゲーム業界で注目を集めました。ゲーム雑誌『ゲーメスト』の企画では年間大賞で6位に選ばれたほか、ベストアクション賞やベスト演出賞でも上位にランクインしています。特に、画面下に表示されるキャラクターの顔がボイスと共に表情を変える演出や、歴史上の敵将が名乗りを上げて登場するシーンなどが、キャラクターの描写や原作の雰囲気を捉えている点が高く評価されました。これらの表現手法は、その後のゲーム開発にも影響を与えたと言われています。PCエンジン版の評価は当時のゲーム誌では標準的でした。
本作のエンディングでは、続編である『天地を喰らうII 赤壁の戦い』の制作決定が告知され、1992年にアーケードで登場しました。『II』は本作のような馬上戦闘ではなく、一般的なスタイルのベルトスクロールアクションとなっています。なお、カプコンが後年にリリースしたベルトスクロールアクションのコレクション作品には『II』は収録されていますが、本作は収録されていませんでした。
本作の大きな特徴は、プレイヤーキャラクターが常に馬に乗った状態で戦うという点です。操作はレバーによる移動に加え、攻撃と計略それぞれに対応した3つのボタンを使用します。攻撃ボタンを押し続けることで攻撃の威力を高める「溜め」が可能であるほか、レバーでキャラクターを前進させながら、攻撃ボタンで後方の敵を攻撃するといった独特の操作感（ショット方向撃ち分けに似た感覚）が実現されています。また、特定の操作で繰り出せる必殺技として、攻撃ボタン連打の「流星剣」や溜め攻撃からの「真空剣」が存在します。プレイヤーキャラクターの体力は数値で表示され、敵を倒して経験値を獲得することでレベルアップし、体力の最大値が増加します。ステージ中に現れる青い球状のアイテムを二つ集めると出現する「武器パネル」を取得すれば、より強力な武器へと変更できます。
計略ボタンを押すと、プレイヤーキャラクターの現在の体力を一定量消費して強力な「策略」を発動できます。この策略は、発動する場面によって「火計」「爆裂」「落石」「伏兵」のいずれかが自動的に選択されます。策略は敵を一掃するのに有効ですが、体力を大きく消耗するため、体力回復アイテムの状況などを考慮して慎重に使用する必要があります。プレイヤーの体力はステージをクリアしても完全には回復しない仕様となっています。
ゲームは全八つのラウンドで構成されており、黄巾の乱から董卓討伐までの三国志序盤の物語が展開されます。各ラウンドの終わりには強力なボス敵将が待ち構えており、中にはラウンド途中で中ボスとして登場する者もいます。登場する敵将には程遠志、張角、華雄、呂布、董卓といった歴史上の人物が多く含まれ、彼らはプレイヤーと同様に馬に乗って戦うことが多く、戦闘前には短い会話シーンが挿入されることもあります。最終ラウンドでは、本作の最終ボスである董卓がプレイヤーの前に立ちはだかります。
プレイヤーが操作できる武将は、劉備、関羽、張飛、趙雲の四人から選択します。二人同時プレイ時には異なる武将を選択して協力して進めます。キャラクターには個性があり、張飛と関羽は敵に大ダメージを与えるパワー型、趙雲と劉備は機動力が高く計略を使いこなすスピード＆計略型としてタイプ分けされています。また、物語の進行に合わせて諸葛亮が登場し、プレイヤーのレベルアップ時や窮地に陥った際に画面を通じてアドバイスを与えてくれます。策略の「伏兵」が選択された際には、原作漫画にも登場する火虎、周超、宋仁、宋勇といった面々が助っ人として駆けつけ、プレイヤーと共に戦ってくれます。
移植版の中で特に知られているのが、1994年発売のPCエンジンSUPER CD-ROM²版です。このバージョンは、当時のハードウェア性能の都合から、キャラクターのグラフィックが小さくなったり、同時に表示される敵の数が減少したりといったアーケード版との違いが見られました。プレイ人数も一人専用となり、アーケード版で複数種類あった策略は、体力消費型の画面全体攻撃として統一されています。しかし、ゲーム性はアーケード版の楽しさを引き継ぎつつ、難易度を調整したモードが追加されるなど遊びやすさへの配慮も見られます。さらに、PCエンジン版ではアーケード版にはなかった声優によるボイスが多数追加されており、プレイヤーキャラクターや敵将、イベントシーンがより生き生きと表現されています。エンディングもアーケード版の続編告知から変更され、原作漫画のカットや新規スタッフクレジットが追加されたオリジナルの内容となりました。家庭用ゲーム機でのアーケード版の完全移植としては、2021年にNintendo Switchでリリースされた『カプコンアーケードスタジアム』への収録が初となります。
アーケード版『天地を喰らう』はリリース当時、ゲーム業界で注目を集めました。ゲーム雑誌『ゲーメスト』の企画では年間大賞で6位に選ばれたほか、ベストアクション賞やベスト演出賞でも上位にランクインしています。特に、画面下に表示されるキャラクターの顔がボイスと共に表情を変える演出や、歴史上の敵将が名乗りを上げて登場するシーンなどが、キャラクターの描写や原作の雰囲気を捉えている点が高く評価されました。これらの表現手法は、その後のゲーム開発にも影響を与えたと言われています。PCエンジン版の評価は当時のゲーム誌では標準的でした。
本作のエンディングでは、続編である『天地を喰らうII 赤壁の戦い』の制作決定が告知され、1992年にアーケードで登場しました。『II』は本作のような馬上戦闘ではなく、一般的なスタイルのベルトスクロールアクションとなっています。なお、カプコンが後年にリリースしたベルトスクロールアクションのコレクション作品には『II』は収録されていますが、本作は収録されていませんでした。
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