天池級補給艦

天池級補給艦

天池級補給艦（チョンジ級）は韓国海軍に所属する補給艦のカテゴリで、その建造を手掛けたのはHD現代重工業です。別名HDA-8000型とも称され、1980年代後半に設計がスタートしました。元々はニュージーランド海軍向けに造られた「エンデバー」の発展型で、イタリア海軍のストロンボリ級補給艦からも影響を受けたとされています。

設計の特徴

天池級は、補給艦としての機能性を重視して設計されており、洋上での物資移送能力が高いのが特長です。艦中部には、片持ち式モノポール型のポストが両舷に2基ずつ設置されており、液体貨物用とドライカーゴ用にそれぞれ分類されています。このことにより、艦尾からの補給も行えるため、運用の柔軟性が確保されています。

また、艦尾にはへリコプター甲板を持ち、ヘリコプターを用いた物資移送（VERTREP）にも対応可能です。このように多様な手段での補給が行える設計になっています。

物積み能力

天池級補給艦の標準的な搭載能力は、以下の通りです。

• - 貨油: 4,200トン
• - ドライカーゴ: 450トン

物資の輸送は、艦内に配置されたフォークリフトやパレットトラックを利用して行われ、エレベーターによる甲板間での移送も可能です。また、港での揚降のために、デッキ・クレーンが2基設置されており、物資の効率的な積み下ろしが行われます。

武装

天池級補給艦は防衛能力も重視されています。初期の1番艦ではエリコンKCB 30mm機銃を装備した有人砲塔が前後に配置されていましたが、2番艦以降では、より高性能なファスト・フォーティー 40mm連装機銃に換装されています。さらに、補給ポストの両舷に20mmのガトリング機関砲を各1基装備しており、自衛に必要な火力が確保されています。

同型艦

2001年には、ほぼ同様の設計を持つ艦がベネズエラ向けに建造され、「シウダー・ボリバル」として運用されています。これにより、天池級補給艦の信頼性と汎用性が他国でも認められる結果となりました。

まとめ

天池級補給艦は、大韓民国海軍にとって重要な役割を果たし、補給や物資の移送に特化した設計により、艦隊の運用や作戦の効果を高めるための必要な装備を提供しています。この艦級は現代の海軍において不可欠な存在であり、国際的な軍事協力にも寄与しています。

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