天王寺指令所

天王寺指令所について

天王寺指令所（てんのうじしれいじょ）は、大阪府大阪市に位置した西日本旅客鉄道（JR西日本）の運転指令所の一つであり、近隣地域の鉄道運行を担っていました。運営開始当初から、主に和歌山支社によって管理され、紀勢本線や和歌山線の運行を効率的に指揮していました。

概要

天王寺指令所は、紀勢本線の和歌山駅から新宮駅にかけて、及び和歌山線の和歌山駅から五条駅の区間を監督していました。これにより、迅速で安全な運行が実現されていました。指令所は「和歌山輸送指令」という名称でも知られ、2012年8月31日にその役目を終え、翌日の9月1日には和歌山指令所にその機能が移転しました。

管理線区

天王寺指令所が管理していた主な路線は、紀勢本線と和歌山線でした。具体的には、以下の区間が含まれます。

• - 紀勢本線（きのくに線）: 和歌山駅 - 箕島駅間、箕島駅 - 紀伊田辺駅間、紀伊田辺駅 - 串本駅間、串本駅 - 新宮駅間
• - 和歌山線: 和歌山駅 - 五条駅（構内除く）間

特に、和歌山駅から王寺駅間の運行管理を行っていましたが、2007年11月1日に桜井線と和歌山線の王寺駅から五条駅間に自動進路制御装置（SRC）が導入されたことにより、その区間は大阪総合指令所に移管されました。

運転取扱入換駅

普段は天王寺指令所の管理下で運行されていますが、いくつかの駅では、構内で入換作業や連結誘導が必要な場合、駅側が直接制御を行うこともあります。このような駅は以下の通りです。

• - 和歌山駅
• - 御坊駅（構内入換は早朝・深夜に限る）
• - 紀伊田辺駅
• - 白浜駅（特急列車の連結誘導・構内入換に限る）
• - 紀伊勝浦駅
• - 新宮駅

過去の管理線区

日本国有鉄道（国鉄）時代には、天王寺鉄道管理局が天王寺指令所の前身として機能しており、関西本線や奈良線、桜井線、草津線、名松線、参宮線といった多くの路線を管理していました。国鉄の分割民営化が進む中で、関西本線や草津線の一部は、大阪総合指令所へと移管され、運営管理が分散されることになりました。

関連項目

天王寺指令所は、JR西日本の重要なインフラの一部として機能していましたが、その翌日に和歌山指令所に置き換えられる形で廃止されました。また、大阪総合指令所やアーバンネットワークといった関連する運行管理システムとも深い関わりを持っていました。これにより、近畿地方の鉄道ネットワークは今もなお、地域の交通の要として重要な役割を果たしています。

もう一度検索