天神山 (北海道)

天神山は、札幌市豊平区平岸に位置する標高89メートルの小高い山です。その名の由来は、かつてこの地に天満宮が祀られていたことにあります。札幌市が選定した「札幌50峰」の中で最も低い山としても知られています。

周辺は市街地として発展していますが、天神山一帯は「天神山緑地」として自然が保護されています。山頂にはかつて札幌市が設置した「天神山国際ハウス」がありましたが、2008年に閉館。その後、2014年5月31日からは「さっぽろ天神山アートスタジオ」として新たなスタートを切りました。麓には、平岸リンゴにゆかりのある石川啄木の歌碑が建てられています。

天神山の地質は、約4万年前に支笏湖カルデラを形成した火山噴火によって噴出した火砕流の堆積物で構成されています。道路を切り開いた場所では、黄灰色の火山灰が露出しているのを確認できます。かつて一面に広がっていた火山灰台地は、豊平川の浸食作用によって扇状地へと姿を変え、その過程で削り残された部分が天神山として現在に残っています。

周辺には、相馬神社、平岸天満宮、澄川墓地といった場所があり、人々の生活と信仰に寄り添っています。また、「さっぽろ天神山アートスタジオ」やギャラリーなども点在し、文化的な魅力を放っています。

参考文献

「さっぽろ文庫1〜札幌地名考」（札幌市・札幌市教育委員会、1977年9月発行）
前田寿嗣『歩こう！札幌の地形と地質』北海道新聞社、2007年5月10日。ISBN 978-4-89453-410-0

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