天草瀬戸大橋

天草瀬戸大橋：天草の島々を結ぶ架け橋

天草瀬戸大橋は、熊本県天草市に位置し、上島と下島を結ぶ重要な役割を担っています。国道266号および国道324号の一部として、全長約700メートルに及ぶこの橋は、本渡瀬戸を航行する船舶の安全を考慮した設計が特徴です。

歴史

天草瀬戸大橋は、本渡瀬戸に架けられた3代目の橋として知られています。初代は1923年に完成した回転式の可動橋であり、その後1960年には跳ね上げ式の可動橋である新瀬戸橋が建設されました。しかし、1970年代に入ると、船舶の交通量と自動車の交通量の増加により、交通渋滞が深刻化。この問題を解決するために、1974年5月に天草瀬戸大橋が完成しました。

天草未来大橋（第2天草瀬戸大橋）

慢性的な交通渋滞の緩和を目指し、熊本県と天草市は「第2天草瀬戸大橋」構想を打ち出しました。この構想に基づき、地域高規格道路である熊本天草幹線道路の一部として、本渡道路の1期区間が建設されました。この区間の大部分を占めるのが、2023年2月25日に開通した天草未来大橋です。

天草未来大橋は、全長1,148メートルで、6区間27径間からなる連続桁橋です。陸上部はPC連続中空床版橋、海上部は鋼連続箱桁橋が採用されており、完成時には2車線、道路幅員は標準部で10.5メートル、橋梁部で9.5メートル、設計速度は時速60キロメートルとなっています。

構造は以下の通りです。

1. PC5径間連続中空床版橋（153m）
2. 鋼4径間連続細幅箱桁橋（200m）
3. 鋼3径間連続細幅箱桁橋（175m）
4. 鋼3径間連続綱床版箱桁橋（252m）
5. PC6径間連続中空床版橋（180m）
6. PC6径間連続中空床版橋（188m）

本渡瀬戸歩道橋

天草瀬戸大橋には歩道が設けられていますが、路面が高いため歩行者や自転車での通行は困難です。そこで、1977年に本渡瀬戸歩道橋が建設されました。この歩道橋は、航路を確保するために可動橋（昇開橋）となっており、全長は125メートル、可動部分は58メートルです。赤く塗装されていることから「赤橋」とも呼ばれ、歩行者だけでなく、バイクも押して通行できます。かつては、本渡港と水俣港を結ぶフェリーもこの橋の下を通過していました。

これらの橋は、天草地域の交通を支える重要なインフラであり、地域の発展に大きく貢献しています。

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