天野元明

天野元明：戦国を駆け抜けた毛利家臣の詳細

天野元明は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将であり、毛利氏に仕えた家臣として知られています。彼の出自から、主な戦歴、そして関ヶ原の戦い後の動向までを詳細に解説します。

出自

安芸天野氏は、藤原南家工藤氏を祖とする一族で、安芸国に下向し国人として勢力を拡大しました。天野元明の系統は、天野政貞を祖とする金明山天野氏にあたります。安芸には他にも、天野興次・天野興定・天野元定の一族である生城山天野氏が存在しました。

略歴

天野元明は、天野隆重の子として生まれました。父と共に毛利氏の家臣として、中国地方各地を転戦し、数々の戦で武功を重ねました。特に、相婿であった吉川元春に従い、尼子氏との戦いでは目覚ましい活躍を見せました。

天正6年（1578年）の上月城の戦いにも参戦し、この戦いで降伏した山中幸盛の身柄を安芸国へ護送する役目を担いました。しかし、護送中に福間元明と家人の河村新左衛門に命じ、山中幸盛を殺害しました。この事件は、吉川元春または毛利輝元の指示によるものとされています。

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いにおいて、毛利氏が西軍に与して敗北した後、毛利氏は防長（現在の山口県）へ移封されました。天野元明もこれに従い萩へ移り住みましたが、間もなく死去したと伝えられています。

元明の死後、家督は弟である元信が継承しました。しかし、慶長10年（1605年）、萩城築城の遅延を理由に、元信は岳父の熊谷元直と共に処刑されるという悲劇に見舞われました（五郎太石事件）。

天野元明の生涯は、戦国時代の武将として、毛利氏のために戦い抜いたものでした。山中幸盛殺害事件など、歴史の暗部に関わる出来事もありましたが、その事績は後世に語り継がれています。

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