天野興定

天野興定（あまの おきさだ）は、戦国時代の武将であり、大内氏と尼子氏という二つの有力な勢力に仕えた人物です。

出自

興定は、安芸天野氏の一族、生城山天野氏の系統に属します。安芸天野氏は、藤原南家工藤氏を祖とし、安芸国に下向して国人化した一族です。天野氏には、興定の系統である生城山天野氏の他に、天野隆重、天野隆良、天野元明らを輩出した金明山天野氏があります。

略歴

文明7年（1475年）に天野興次（あまの おきつぐ）の子として生まれました。父と同様に、当時勢力を誇っていた大内義興（おおうち よしおき）から偏諱を受け、興定と名乗ります。

天野氏は安芸に土着した国人領主であり、毛利氏や宍戸氏などとは元々同格の立場でした。長らく周防国の大内氏の影響下にありましたが、出雲国の尼子経久（あまご つねひさ）が勢力を拡大し安芸に侵攻してくるようになると、大内氏から離反し尼子氏に属しました。しかし、大内義興が勢力を盛り返すと攻撃を受け、滅亡寸前にまで追い込まれます。毛利元就の取り成しによって大永5年（1525年）に降伏を許され、以後は親大内・親毛利の立場を貫きました。

天文9年（1540年）の吉田郡山城の戦いでは、毛利氏救援のために援軍を率いて出陣し、大軍を率いて安芸に侵攻した尼子晴久（あまご はるひさ）の撃退に貢献しました。翌天文10年（1541年）には、毛利氏と共に尼子方の佐東銀山城（さとうかなやまじょう）の武田信実（たけだ のぶざね）を攻略しましたが、同年に病死しました。家督は子の隆綱（たかつな）が継ぎました。

系譜

父：天野興次（1447年 - 1525年）
正室：天野元貞の娘（？ - 1533年） - 興定の叔父・天野元貞の娘。天文2年7月14日（1533年8月4日）に死去。法名は玉相院真光妙如。
長男：天野隆綱（？ - 1556年）
次男：天野元定（？ - 1569年）

登場作品

* 毛利元就（1997年、NHK大河ドラマ、演：山本密）

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