太閤立志伝シリーズ

『太閤立志伝』シリーズは、コーエーテクモゲームスから発売されている人気コンピュータゲームシリーズです。リコエイションゲームという独自のジャンルで、豊臣秀吉の生涯をテーマに、プレイヤーは彼の立身出世を体験します。1992年に第1作が発売され、現在までに『太閤立志伝V』まで5作品がリリースされています。

ゲームの特徴

プレイヤーは、下級武士時代の木下藤吉郎としてゲームを開始します。最初は「評定」と呼ばれる会議に出席し、「主命」という様々な仕事をこなすことで功績を積み重ね、身分を上げていきます。最終的な目標は、プレイヤーの大名家が全国を統一するか、プレイヤー自身が関白などの最高位の官職に叙任されることです。ただし、『V』では武士以外の勢力でのプレイも可能になり、最終目標も複数種類存在します。

人間関係

秀吉と他の武将との間には、友好度や親密度が設定されています。これらの数値が高いと、武将の登用が成功しやすくなったり、裏切られる可能性が低くなったり、技能を教えてもらえたりします。また、各武将には好みや性格が設定されており、それに合わせた贈り物をすることで親密度を上げることができます。『III』では派閥の概念も導入され、自分の派閥を大きくすることで評定での意見が通りやすくなります。

城主・国主

身分が上がり城主や国主になると、今度は自分が部下に主命を与える立場になります。信長の全国統一を補佐していくことになりますが、歴史イベントである本能寺の変が発生することもあります。その場合、信長の遺志を継ぎ、自らが全国統一を目指すことになります。また、本能寺の変が発生しなくても、謀反を起こして信長から独立することも可能です。シリーズを通して、史実で秀吉が晩年に行った朝鮮出兵関連のイベントは収録されていません。

自由度の高さ

シリーズの大きな特徴として、自由度の高さが挙げられます。評定で主命をこなす以外は、原則としてプレイヤーは何をしても自由です。主命と主命の間の時間を利用して、同僚との交流や町での活動を通じて、能力や技能を磨くことができます。『II』以降では、信長から離反して他の大名に仕えたり、浪人として各地を旅することも可能です。『IV』『V』では、商人や忍者として生きることもできるようになり、プレイスタイルの幅がさらに広がりました。

他の歴史ゲームとの違い

コーエーの他の歴史ゲームと比較した場合、『太閤立志伝』シリーズは個人単位のプレイが可能で、時間の経過が1日単位である点が大きく異なります。これにより、一人の人物とその人間関係に焦点を当てた、よりパーソナルなゲーム体験が可能です。また、マップ上を一人で移動できるため、他の作品とは異なる感覚でプレイできます。さらに、コーエーの他シリーズが頻繁にゲームシステムを変更するのに対し、本シリーズは比較的システム変更が少ないという特徴があります。

作品一覧

太閤立志伝: シリーズの基本となる初代作品（1992年発売）。
太閤立志伝II: 同行者システムや新武将プレイが導入され、秀吉以外の武将でもプレイ可能になった（1995年発売）。
太閤立志伝III: ストーリーが重視され、各武将に立ち絵が用意されたが、自由度は低下した（1999年発売）。
太閤立志伝IV: カード制システムが導入され、主人公が大幅に増加。商人や忍者としてのプレイも可能になった（2001年発売）。
太閤立志伝V: シリーズの中で最も自由度が高く、イベントコンバータも搭載された（2004年発売）。2022年にはイベント・武将を追加したDX版が発売。
Mobile太閤立志伝シリーズ: 携帯電話向けアプリケーションゲームとして移植された作品。
Mobile太閤立志伝（『II』の移植作品）
Mobile太閤立志伝3（『III』の移植作品）

施設

シリーズを通して共通の施設が多く存在します。ここでは『V』をベースに施設を説明します。

城の施設

城: 大名がおり、評定が開かれる場所。主命の報告や献上、方針の確認も行います。城主以上の場合は自宅となります。
武家宅: 他の武将がおり、親密度を上げることで技能を教えてもらったり、情報を得たりできます。
自宅: 自分の家。城主以上の場合は城が自宅となります。
城練兵場: 兵の訓練度を上げたり、士気を上げたりできます。

町の施設

米屋: 兵糧の売買や米相場の調査ができます。
馬屋: 軍馬の購入や馬相場の調査、「騎馬」の師事ができます。
酒場: 酒を飲んだり購入したりできる他、賭博もできます。武将や旅人がいることもあります。
宿屋: 体力回復や情報収集に利用できます。宿屋娘がいることもあります。
座: 交易品の購入や仕事の斡旋を行っています。
民家: 浪人や農民がおり、会話や情報収集ができます。
商家: 武具や茶器、書物などを売買できます。「算術」の師事も可能です。
道場: 「武芸」の師事や武具の鑑定を行ってもらえます。
鍛冶屋: 鉄砲や大筒の購入、「鉄砲」の師事ができます。
医師宅: 病気の治療や薬の購入ができます。「医術」の師事も可能です。
寺: 「礼法」の師事や書物の鑑定ができます。悪名が高い場合は布施を行うことで下げることができます。
茶人宅: 茶器の売買や鑑定、「茶道」の師事ができます。
職人宅: 芸術品の製作や鑑定をしてもらえます。
南蛮商館: 南蛮物の売買や鑑定ができます。
南蛮寺: 「開墾」の師事や助言を受けられます。鉄砲や大筒の取引に必要な紹介状を発行してもらえます。
公家宅: 公家との親密度を上げ、朝廷への口添えを頼むことができます。
御所: 朝廷との外交を行う場所です。
忍者屋敷: 「乱波」の師事や各種工作の依頼ができます。
商港: 『II』にのみ存在し、別の港町に移動できます。

忍びの里、海賊砦の施設（『IV』『V』のみ）

忍び屋敷・海賊屋敷: 武士の場合の城にあたる施設です。
里練兵場・砦練兵場: 武士の場合の城練兵場にあたる施設です。
里修業場・砦修業場: 修業ができる施設です。「忍術」や「水軍」の師事ができます。
造船所: 砦の技術に応じた船を建造できます。
忍び宅・海賊宅: 武士の場合の武家宅にあたる施設です。

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