三國志VII

『三國志VII』は、2000年にコーエーテクモゲームス（旧コーエー）から発売された歴史シミュレーションゲーム「三國志シリーズ」の第7作です。本作最大の特徴は、従来の君主プレイから、武将一人を操作する武将プレイへとシステムが大きく変更された点です。これにより、プレイヤーは三国志の世界をより深く、そして自由な視点から体験できるようになりました。

ゲーム概要

従来のシリーズでは、プレイヤーは君主として国全体を動かしていましたが、本作では、520人以上（PlayStation 2、PlayStation Portable版ではさらに18人追加）の武将の中から一人を選び、その武将の人生を歩むことになります。選んだ武将の身分は、君主、太守、軍師、一般、在野の5つがあり、功績を積むことでより高い身分を目指したり、反乱を起こして君主となることも可能です。また、自分だけの新武将を作成し、ゲームに登場させることもできます。

ゲームの終了条件は、担当武将が死亡し、かつ後継となる血縁武将がいない場合です。つまり、プレイヤーは担当武将の生存と一族の繁栄を目指してプレイすることになります。武将プレイでは、他の武将との交流が非常に重要です。交流を深めることで、武将の能力を上げたり、新たな特技を習得したりすることができます。

シナリオは全部で7つあり、有料ダウンロードサービスを利用することで、Windows版ではさらに2つのシナリオが追加されました。PlayStation 2版以降では、追加シナリオに加え、黄巾の乱シナリオもプレイできます。

戦闘システム

戦闘は野戦と攻城戦に分かれています。野戦では、攻撃側は敵の殲滅や士気低下を目指し、防御側は士気維持や罠による迎撃を試みます。防御側の士気が0になったり、総大将が撤退した際には、攻城戦に移行します。攻城戦では、攻撃側は城防御を0にするか敵総大将を倒すことを、防御側は敵総大将を倒すか日数制限まで経過させることで勝利を目指します。どちらの戦闘も戦略的な要素が強く、プレイヤーの采配が勝敗を大きく左右します。

マルチプレイ

ゲーム開始時は1人プレイのみですが、特定のコマンドを入力することで、最大8人までのマルチプレイが可能になります。これにより、友人や家族と一緒に三国志の世界を共有し、それぞれの立場で歴史を動かすことができます。

シナリオ詳細

通常シナリオ
張角乱を起こし黄旗翩翻す　184年3月（PS2版以降のみ）
豹狼帝都を制し漢室衰亡す　189年12月
飛将中原に舞い天下騒乱す　194年10月
鉄騎渡河し官渡に大戦興る　200年3月
臥竜飛翔し赤壁に長江燃ゆ　207年10月
皇叔西蜀を制し天下三分す　217年2月
丞相託孤を受け自ら出陣す　225年3月
司馬専権し淮南に義臣起つ　257年3月

最終シナリオはシリーズ初となる三国時代末期を舞台にしており、諸葛誕の挙兵を題材にしています。

追加シナリオ
天子奉戴し魏武の強始まる　197年1月
群雄競いて荊州に覇を争う　209年2月

Windows版では、これらのシナリオが有料でダウンロード販売されていました。PlayStation版以降では、初めからプレイ可能です。

パワーアップキットでの追加点
ショートプレイモードの追加
戦術シミュレーションモードの追加
歴史イベントの追加とコレクション機能の搭載
追加シナリオ5本
奉先王允と謀り相国を弑す　192年
本初中道に死して後継争う　202年
錦馬超東進し姦雄と対峙す　211年
蜀漢南征を終え祁山を狙う　227年
丞相没し姜維五丈原を退く　234年
プレイの足跡を残す「年表機能」
* データの自由変更が可能な「エディタ機能」

『三國志VII』は、武将プレイという新しいシステムを導入したことで、三国志の世界をより深く、多角的に楽しめる作品となりました。シリーズファンはもちろん、歴史シミュレーションゲーム初心者にもおすすめです。

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