太陽誘電

太陽誘電株式会社：電子部品と記録メディアの歴史

太陽誘電株式会社（TAIYO YUDEN CO.,LTD.）は、受動電子部品を主要製品とする電気機器製造会社です。一般には、かつて販売していたCD-Rなどの記録メディア「That's」ブランドで知られています。

創業と発展

1950年、研究者の佐藤彦八によって設立された太陽誘電は、当初、磁器コンデンサやステアタイト磁器絶縁体の製造からスタートしました。その後、東京証券取引所への上場を経て、事業を拡大。本社は東京都中央区にありますが、群馬県高崎市などにも工場を構えています。

電子部品事業

同社の主力製品は、コンデンサやインダクタなどの受動電子部品です。これらの製品には、誘電体セラミックやフェライトセラミックが使用されています。また、電子部品技術を活かした高密度実装のBluetoothモジュールも重要な製品です。2001年には、群馬県に電波暗室棟を設立し、ノイズ対策部品の販売拡大を図りました。この施設は、10m暗室、アンテナ評価設備、Bluetooth認証設備、近傍電磁界同時測定設備を備えています。

かつての記録メディア事業

太陽誘電は、かつて記録メディア事業にも力を入れていました。「That's」ブランドでカセットテープやビデオテープを製造・販売していましたが、1993年にこの事業をソニーとの合弁会社であるスタート・ラボに移管し、自社での販売から撤退しました。

CD-Rの開発と展開

1988年にはCD-Rを開発し、その後DVD-RやBD-R LTHの製造も開始。これらの製品は、スタート・ラボを通じて「That's」ブランドで販売されました。福島県伊達市にある子会社「福島太陽誘電」で一貫生産を行っていましたが、2021年現在は生産を終了しています。また、ソニー、富士フイルム、TDK、パナソニックなどの大手メーカーへのOEM供給も行っていました。

生産撤退と技術ライセンス

記録メディア市場の縮小に伴い、2015年に光ディスク製造から撤退しました。しかし、その技術は台湾のCMCマグネティクスに提供され、「CMCpro Powered by TY Technology」として製品化されています。また、RiTEKでも「Legend with PRO」が発売されています。2021年には、同社が1988年に開発したCD-Rが国立科学博物館の未来技術遺産に登録されました。

スポーツ活動

同社の女子ソフトボール部「太陽誘電ソルフィーユ」は、日本リーグで長年1部リーグに所属し、リーグ優勝6回を誇る強豪チームです。多くの日本代表選手を輩出しており、2022年からはJDリーグに所属しています。全国タイトルは計33回で、ビックカメラ高崎に次ぐ多さです。

関連会社

太陽誘電は、多くの関連会社を有しています。以下はその一部です。

太陽誘電ケミカルテクノロジー株式会社
太陽誘電テクノソリューションズ株式会社
株式会社環境アシスト
福島太陽誘電株式会社
サンヴァーテックス株式会社
太陽誘電エナジーデバイス株式会社
株式会社スタート・ラボ
和歌山太陽誘電株式会社
新潟太陽誘電株式会社
エルナー株式会社
ビクターアドバンストメディア株式会社
太陽誘電モバイルテクノロジー株式会社

まとめ

太陽誘電は、電子部品メーカーとして確固たる地位を築いています。また、過去には記録メディア分野でも大きな足跡を残しました。その技術は、現在も多くの製品に活かされています。女子ソフトボール部も、日本のトップレベルで活躍するチームです。

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