奄美交通

奄美交通について

奄美交通は、かつて鹿児島県奄美大島を主な営業エリアとしていたバス事業者でした。路線バスと貸切バスの事業を展開していましたが、2008年6月21日をもって、同じく奄美大島でバス事業を運営する道の島交通（現在のしまバス）に全事業権を譲渡しました。

概要

本社は鹿児島県奄美市名瀬入舟町に位置し、いわさきグループに属していました。そのため、使用していたバス車両は、旧鹿児島交通など、いわさきグループのものが多く見られました。離島という環境から塩害による錆が目立つ車両も少なくありませんでした。

歴史

1950年 - 奄美陸運として設立。
1954年 - 路線バスの運行を開始。
1955年 - 奄美交通に商号を変更。
1992年 - 名瀬市（現在の奄美市名瀬地区）で競合していた林バス産業（旧林自動車商会）を吸収。
2007年頃 - 道の島交通（現在のしまバス）との間で路線競合が発生。
2008年 - 全事業権を道の島交通に譲渡し、65台の車両が同社に引き継がれました。

事業権の譲渡

2004年3月、奄美交通が一部路線の廃止を表明したものの、実際には運行を継続したため、道の島交通（当時の岩崎バス）との間で13路線が競合するという事態に陥りました。しかし、この問題は2006年10月には両社の協議によって解決されました。その後、2007年以降、奄美市街地を中心に路線競合が発生したことを受け、バス事業の一本化に向けた協議が進められました。その結果、2008年3月に奄美交通の事業を道の島交通が引き継ぐことで合意しました。同年6月18日、国土交通省九州運輸局から事業譲渡の認可を受け、同月21日に事業は完全に道の島交通へ譲渡され、奄美交通は約58年の歴史に幕を下ろしました。なお、奄美交通が所有していた全ての車両は、道の島交通に買収されています。

路線概要

奄美市名瀬地区（旧名瀬市）の中心部にバスターミナルを設け、奄美大島内の各地に路線を展開していました。名瀬地区を拠点として、住用地区（旧住用村）を経由して島の南西端にある瀬戸内町古仁屋地区へ向かう路線や、島の中央に位置する大和村、北東部の龍郷町、そして奄美空港がある笠利地区（旧笠利町）への路線がありました。また、2004年以降、道の島交通との間で路線競合が発生していましたが、2006年10月には両社の協議により解決しました。

主な路線

2008年6月20日、事業譲渡直前の時点で48路線が設定されていました。

空港 - 名瀬 - 古仁屋
名瀬 - 龍郷 - 笠利
名瀬 - 住用 - 古仁屋
名瀬 - 大和
その他市内路線（旧名瀬市）

営業所・車庫

平松車庫 - 奄美市名瀬平松町424番地
古仁屋営業所 - 瀬戸内町大字古仁屋字春日5番地1

車両

主にいすゞ自動車製の車両が使用されていましたが、他のメーカーの車両も存在しました。カラーリングは、奄美交通独自のハイビスカスの花をデザインしたものの他に、いわさきグループ共通のヤシの木のデザインも使用されていました。同じデザインでも配色が異なり、バリエーションが豊富でした。

脚注

しまバス#廃止代替バス問題

関連企業

いわさきグループ各社

鹿児島交通
鹿児島交通観光バス
大隅交通ネットワーク
三州自動車
いわさきバスネットワーク
種子島・屋久島交通

外部リンク

* しまバス

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