しまバス

株式会社しまバスについて

株式会社しまバスは、鹿児島県奄美市に本社を置くバス事業者です。奄美大島内を主な運行エリアとし、路線バス事業と貸切バス事業を展開しています。地域住民の生活を支える重要な交通手段としての役割を担うとともに、観光客の移動手段としても利用されています。

事業所

本社：鹿児島県奄美市名瀬伊津部町9-23
その他：鹿児島県奄美市名瀬港町4-16-1F

概説

しまバスは、奄美大島内を網羅する路線バスを運行しており、島内の各地域を結んでいます。また、観光や団体旅行などに利用される貸切バス事業も展開しています。地域に密着したバス事業者として、島民の足として親しまれています。

沿革

しまバスの歴史は、1953年に岩崎自動車商会として創業したことに始まります。初代社長である岩崎菊勇氏の姓を社名とし、1980年には「岩崎バス」に社名を変更しました。

廃止代替バス問題と路線の再編

2004年、奄美交通が路線廃止を届け出た際、沿線自治体は代替バスの運行を岩崎バスに委託しました。しかし、直前で奄美交通が一部路線の廃止を撤回したため、岩崎バスと奄美交通との間で路線が競合するという事態が発生しました。この競合は両社の経営を圧迫し、特に競合路線は赤字が続くという状況に陥りました。その後、自治体とバス事業者の協議により、2006年10月に路線再編成が行われ、競合状態は解消されました。

道の島交通への社名変更

2004年12月、岩崎バスは「道の島交通株式会社」へと社名を変更しました。この社名は、奄美群島が鹿児島と沖縄を結ぶ道であるという意味で、薩摩藩が使用していた名称に由来します。また、同業の「いわさきグループ」との混同を避ける意味合いもあったとされています。この社名変更と同時に、地元経済団体から役員を受け入れ、地域に根差した運営を目指しました。

社名変更後、道の島交通はバス利用促進のための施策を積極的に展開しました。また、2007年から奄美交通との間で競合路線の協議が行われ、2008年5月を目途に奄美交通の事業を道の島交通が受け入れる形で統合することが合意されました。2008年6月には国土交通省九州運輸局より事業譲渡の認可を受け、奄美交通の路線を完全に譲り受け、両者の競合は解消されました。

しまバスへの社名変更

2014年4月6日、株式会社しまバスへと社名を変更しました。この社名変更には、奄美市職員の有志が結成したバンド「島バスに乗って」の歌詞が影響したと公表されています。同年4月21日現在、所有バスは89台（路線55台、貸切34台）、職員は106人（うち運転手72人、ガイド3人）となっています。

各種施策

しまバスは、地域住民の利便性向上やバス利用促進のため、様々な施策を実施しています。

通学定期フリーエリア： 2005年4月3日より、通学定期券で旧名瀬市中心部の指定地域を自由に利用できる「通学定期フリーエリア」を設定しました。1ヶ月定期券の運賃が7200円以上となる区間が対象です。バス通学の学生の利便性を高めるとともに、名瀬市内の商店街活性化も目指しています。
エコ定期券制度： 2005年10月1日からは、土日祝日と旧盆・年末年始に定期券所持者と同行する家族の運賃を、全区間で大人100円、小児50円とする「エコ定期券制度」を導入しました。また、地域通貨「奄美エコマネー」も利用可能とするなど、地域経済の活性化にも貢献しています。

路線

しまバスの路線は、旧名瀬市の市街地を走る市内線、名瀬市街と島内各地を結ぶ路線、その他の路線で構成されています。市内線は、名瀬市街の主要な場所を結び、島内各地を結ぶ路線は、奄美空港、笠利町、龍郷町、住用町、瀬戸内町などの主要地域を網羅しています。

主な路線

市内線
平田町 - 小里・宿
小湊 - 西仲勝 - 小里・宿
春日町 - 佐大熊 - 浦上
東が丘団地 - 井根町 - 山田団地
山田団地 - 崎原
名瀬市街と島内各地を結ぶ路線
名瀬 - 奄美空港
平田町 - 佐仁
名瀬 - 芦徳
平田町 - 芦花部 - 秋名
平田町 - 用
平田町 - 和光 - 龍郷町役場 - 秋名
浦上 - 和光 - 市
平松公園前 - 西仲間 - 古仁屋
その他の路線
ビッグⅡ - 上戸口
赤木名 - 佐仁
赤木名 − 奄美空港 − 名瀬市街 − 古仁屋せとうち海の駅
赤木名 - 赤尾木
赤木名 - 屋仁
西仲間 - 市
新村 - 宇検
湯湾 - 屋鈍

※ 名瀬市街と宇検村を直接結ぶ路線はなく、他路線との乗り換えが必要です。
※ 大和村への路線は2019年4月に廃止され、以降は村がバスを運行しています。

車両

しまバスの車両は、いすゞ車を中心に、日野車が少数導入されています。2004年の廃止代替バス運行時には、日産・シビリアンも導入されました。空港特急車両は、従来路線車の上級仕様車が使われていましたが、近年は大型ハイデッカー車が導入されています。

主な中古車の移籍元

青森市交通部
京成バス
京阪バス
千曲バス
知多乗合
東京ベイシティ交通
名古屋市交通局
阪急バス
商都交通
東京富士交通

脚注

関連項目

奄美大島
九州地方の乗合バス事業者

外部リンク

公式ウェブサイト
しまバスブログ
* 奄美の女性バス運転士ブログ

もう一度検索