奈義町

奈義町の紹介

奈義町（なぎちょう）は、岡山県の北東部、鳥取県との県境近くに位置する町で、勝田郡に属しています。町の北部には奈岐山（なぎさん）がそびえており、これは奈義町のシンボルでもあります。この美しい山は、町名の由来ともなっています。

地理

奈義町は中国山地に位置していて、町全体の大部分が豊かな山林に覆われています。南部には日本原高原が広がり、ここには陸上自衛隊の日本原駐屯地と演習場があります。また、奈義町は豪雪地帯に指定されており、冬には雪が多く降ります。さらに、台風シーズンの間は、広戸風と呼ばれる強風が山地から吹き下ろすため、注意が必要です。

歴史的には、この地域はかつて浅い海であったため、「ビカリア」と名付けられた巻貝の化石などが発見されています。奈義町内には、那岐山（1255m）、滝山（1197m）、鎌倉山（550m）などの名山があり、滝川、淀川、馬桑川といった河川と、那岐池や西原ダムなどの湖沼も存在します。

歴史

奈義町の町制は1955年（昭和30年）に施行され、当時は北吉野村、豊田村、豊並村の3村が合併する形で誕生しました。1961年には陸上自衛隊を誘致し、町の発展に寄与しました。2002年には、津山市や他の勝田郡の町との合併が議論されましたが、結局合併しないことが決定されました。2013年の4月には、化石博物館「なぎビカリアミュージアム」において新種の化石が発見され、その名も「ナギカワニナモドキ」と命名されました。

経済と産業

奈義町では農林業が主な産業であり、特に馬桑地区ではワサビの栽培が行われています。この地域の特産品として知られる「葉わさび寿司」は、ワサビの葉を醤油漬けにしてちらし寿司にのせた郷土料理です。自然災害で一時は栽培が途絶えてしまったものの、地域の高校の協力を得て、再び復活を果たしました。

また、製造業も盛んで、三社電機製作所やユニカス工業、エイ・ティ・シイ ミカドなどが町内に立地しています。南東部には東山工業団地が整備されています。

教育と交通

奈義町には奈義町立奈義小学校と奈義町立奈義中学校があり、地域の子供たちが教育を受けています。町内には鉄道路線が通っておらず、最寄りの駅はJR西日本因美線の高野駅や那岐駅です。路線バスも運行されており、津山市との交通が便利です。また、町内に高速道路は通っていませんが、最寄りのインターチェンジは中国自動車道の津山ICと美作ICです。

名所と文化

奈義町には多くの名所や観光スポットがあります。特に那岐山は登山客に人気で、清らかな自然を楽しむことができます。なぎビカリアミュージアムでは豊富な化石コレクションが展示されており、教育的価値も高いです。また、奈義町現代美術館や菩提寺のイチョウも訪れる価値があります。

季節ごとには祭事や催事も行われ、特に那岐山安全祈願祭や横仙歌舞伎大公演などは毎年多くの人々で賑わいます。奈義町は自然と文化、歴史が交錯する魅力的な地域です。

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