奈良県立富雄高等学校

奈良県立富雄高等学校（富高）

奈良県奈良市帝塚山西二丁目に位置し、1983年から2007年まで存在した県立高等学校です。地元では「富高（とみこう）」の愛称で親しまれていました。

概要

富雄高校は、全日制普通科の高校として、奈良市の西部に位置していました。帝塚山大学東生駒キャンパスに程近い場所にありました。2007年3月に奈良県立北大和高等学校と統合し、新たに奈良北高等学校として再編されたため、その歴史に幕を閉じました。

当時としては先進的な設備であるニューメディア教室を備えており、多様な学習機会が提供されていました。校内の全PCがインターネットに常時接続され、生徒一人ひとりにメールアカウントが付与されるなど、ICT教育に力を入れていました。

ボランティア活動も盛んで、奈良養護学校との定期的な交流会を通じて、生徒たちは互いを理解し、共に生きることを学んでいました。また、手話や点字の学習会、花いっぱい運動などにも積極的に参加していました。

国際理解教育にも注力しており、帰国生徒や留学生の受け入れを積極的に行っていました。生徒間の国際交流も活発で、グローバルな視野を育む環境がありました。

閉校後、富雄高校の校地と校舎は改築され、2008年4月には奈良県立奈良西養護学校として新たなスタートを切っています。

教育方針と目標

富雄高校は、日本国憲法と教育基本法に基づき、人権を尊重し、民主的な社会の形成に貢献できる人材育成を目指していました。そのため、生徒たちが生き生きと学び、活力に満ちた学校づくりを推進していました。

教育目標としては、以下の3つを掲げていました。

1. 知性を磨き、視野を広げ、個性豊かな創造性に富んだ生徒を育成する。
2. 人間尊重の精神を基盤として、自他敬愛に基づく人間関係を深め、共感と優しさをもった活力ある生徒を育成する。
3. 自発的・自主的な体育的活動をすすめ、健康でたくましい心身と気力に満ちた実践力のある生徒を育成する。

これらの目標を達成するため、「生新」「共感」「創造」という校訓を掲げ、「生きるとは、日々新たに、感動をもってものに向かい、みずからを築いていくこと」という精神を大切にしていました。

沿革

1983年（昭和58年）：奈良県議会で「県立第13高等学校」としての設置が承認。校章が制定。校名が「奈良県立富雄高等学校」に決定。
1984年（昭和59年）：奈良市船橋町の仮校舎で開校。開校式・第1回入学式を挙行。
1985年（昭和60年）：校旗入魂。
1986年（昭和61年）：落成式を挙行。
1987年（昭和62年）：第1回卒業証書授与式を挙行。
1991年（平成3年）：弓道場が竣工。
1993年（平成5年）：創立10周年記念式典を挙行。
2003年（平成15年）：創立20周年記念式典を挙行。
2004年（平成16年）：奈良県議会で富雄高校の廃止と北大和高校との統合が決定。生徒募集停止が公表。
2005年（平成17年）：奈良県立奈良北高等学校が開設。
2006年（平成18年）：所在地表示が変更。
2007年（平成19年）：第21回卒業証書授与式・引継式を挙行。閉校。

基礎データ

所在地：奈良市帝塚山西二丁目1番地の1
アクセス：奈良交通バス「帝塚山西二丁目（(旧)富雄高校）」停留所から徒歩約4分、近鉄奈良線「富雄駅」から徒歩約35分

象徴

校章：学校の東を流れる富雄川と、山地に咲くヤブデマリをモチーフにデザイン。ヤブデマリの白い花弁には「爽やかで明るく」あって欲しいという願い、富雄川には「夢と理想」を抱き未来を追求する気力を持って欲しいという思いが込められていました。
校歌：西田忠男作詞、杉江満直作曲。

学校行事

富高祭：毎年9月上旬に開催された文化祭。

クラブ活動

文化系・体育系ともに様々なクラブが存在していました。

高校関係者

同窓会：奈良県立富雄高等学校同窓会「光丘会」
育友会：奈良県立富雄高等学校育友会

著名な出身者

魚乃目三太（漫画家）
井澤秋乃（囲碁棋士）
塩崎祥平（映画監督）

富雄高校は閉校しましたが、その精神は同窓会組織「光丘会」や、跡地に設立された奈良西養護学校に受け継がれています。

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