奥手稲山

奥手稲山（おくていねやま）

奥手稲山は、北海道札幌市手稲区と南区の境界に位置する標高948.9メートルの山です。その名の由来は、札幌市民にも親しまれている手稲山のさらに奥に位置することからきています。

歴史

1930年（昭和5年）には、山頂から南へ約2キロメートルの場所に、日本国有鉄道（国鉄）が経営する「山の家」が建設されました。この施設は、登山者やスキー客にとって貴重な休憩場所として利用されました。その後、経営は北海道大学のワンダーフォーゲル部へと引き継がれ、学生たちの活動拠点として、また一般の登山者にも利用される山小屋として長く親しまれました。

登山について

奥手稲山は、その美しい自然と比較的容易なアクセスから、登山やハイキングの目的地としても人気があります。特に、夏季には林道を利用して登ることが可能です。しかし、林道を利用する際には、以下の点に注意が必要です。

林道利用の注意点

林道入り口の状況: 林道の入り口は採石場となっており、大型車両が頻繁に行き交っています。業務時間中の侵入は非常に危険であるため、立ち入りは休業日である日曜日のみにしましょう。
案内標識の不在: 林道はあくまで作業用の道であり、登山コースとして整備されているわけではありません。したがって、案内標識などは一切ありません。地図やGPSなどを活用し、ルートを慎重に確認しながら進む必要があります。
林道の終点と山頂: 林道は山頂まで通じておらず、山頂のすぐ下を通過しています。そのため、積雪期以外は、林道から山頂へ直接アクセスすることはできません。残雪期であれば、雪を足がかりにして山頂を目指すことが可能です。ただし、雪の状態によっては危険な場合もあるため、十分な装備と経験が必要です。

奥手稲山は、手軽に自然を楽しめる山として、地元の人々を中心に親しまれています。しかし、登山道としての整備は十分ではないため、入山に際しては事前の準備と注意が欠かせません。特に、林道を利用する際には、上記の注意点を必ず守り、安全な登山を心がけてください。

参考文献

『札幌地名考』さっぽろ文庫1
『札幌の山々』さっぽろ文庫48
梅沢俊、菅原靖彦『北海道夏山ガイド』（最新第4版）北海道新聞社、2015年9月10日。ISBN 978-4-89453-795-8。

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