妙勝寺 (江戸川区上篠崎町)

妙勝寺の概要

妙勝寺は、東京都江戸川区上篠崎に所在する日蓮宗の寺院です。石暦山と号し、日蓮宗の大本山である法華経寺や池上本門寺の貫首を輩出した由緒ある寺院として知られています。門前には、江戸川区登録有形文化財に指定されている「澤地東淵墓誌銘」があり、その歴史と文化的な価値を今に伝えています。

この寺は、旧本山を大本山法華経寺とし、池上中道不二庵法類の柳嶋法縁に属しています。由緒ある歴史と、地域文化に貢献している寺院と言えるでしょう。

歴史

妙勝寺の開創は弘安2年（1279年）に遡ります。開山は、もともと天台宗の僧侶であり、浅草観音金龍山浅草寺の住職であった寂海法印本覚坊日寂上人です。日寂上人は、弘安元年（1278年）に中山法華経寺の日常上人・日祐上人との法論、そして日蓮聖人との面談を経て、日蓮宗に改宗しました。その後、浅草寺を退隠し、浅草石濱村に妙勝寺を創建しました。

その後、第2世日正上人の時代、元享2年（1322年）に寺は篠崎の地に移転しました。さらに時を経て、享保年間には第17世日応上人が本堂を建立しましたが、安政2年（1855年）の安政地震によって焼失するという災難に見舞われました。大正4年（1915年）には、江戸川の改修工事のため、現在地である対岸に移転しました。

文化財

妙勝寺には、江戸川区の登録有形文化財に指定されている「澤地東淵墓誌銘」があります。この墓誌銘は、昭和62年2月25日に告示され、歴史資料としての価値が高いとされています。澤地東淵は、江戸時代後期の人物で、地域に貢献した人物とされています。

関連情報

妙勝寺は、江戸川区内にもう一つ存在します（妙勝寺 (江戸川区江戸川)）。所在地や宗派は異なりますが、名称が同じであることから、間違えないように注意が必要です。

まとめ

妙勝寺は、日蓮宗の歴史とともに歩んできた寺院であり、その長い歴史の中で多くの変遷を経てきました。開創からの歴史、移転、災害からの復興を経て、現在では地域社会にとって重要な存在となっています。また、澤地東淵墓誌銘のように貴重な文化財も有しており、歴史と文化を今に伝える役割も担っています。江戸川区を訪れる際には、妙勝寺の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。

参考文献

日蓮宗寺院大鑑編集委員会『宗祖第七百遠忌記念出版 日蓮宗寺院大鑑』大本山池上本門寺 (1981年)
『江戸川区史』 第三巻、江戸川区、1976年3月
江戸川区文化財・史跡「澤地東淵墓誌銘」
『新編武蔵風土記稿』 巻ノ29葛飾郡ノ10、内務省地理局、1884年6月

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