妙宣寺 (佐渡市)

妙宣寺について

妙宣寺（みょうせんじ）は、新潟県佐渡市の阿仏坊にある日蓮宗の寺院で、日蓮の弟子である阿仏房日得が自宅を寺院として開基したと言われています。この寺院は日蓮宗佐渡三本山のひとつとして知られ、山号は蓮華王山で、本尊には釈迦如来が祀られています。

歴史の沿革

この寺の開創は1221年（承久3年）に遡るとされています。当初は竹田に位置していましたが、1326年（嘉暦元年）に移転し、1589年（天正17年）には現在の雑太城跡に再び移転しました。その後、寛文年間には身延、池上、中山の輪番管理が行われ、1878年（明治11年）には管理を独立させました。現住の寺長は47世の関日道貫首で、佐渡市円静寺から晋山しています。

文化財の指定

妙宣寺は数々の重要文化財を有しており、中でも注目すべきは唯一現存する新潟県内の五重塔です。この塔は江戸時代に相川の宮大工、茂三右ェ門親子によって建立され、日光東照宮の五重塔を模して建設されたとされます。文政10年（1827年）に建てられましたが、資金難から各層の高欄や浅唐戸が不足して未完成となっています。この五重塔の建立には約90年かけられたことがわかっています。また、日蓮聖人の筆による書状や細字法華経なども貴重な文化財として残されています。

建築物の詳細

妙宣寺内には多くの歴史的建造物が存在します。1863年（文久3年）に建立された本堂は非常に由緒があり、祖師堂は1880年（明治13年）に建設されました。仁王門は1677年（延宝5年）、庫裡は1862年（文久2年）に完成し、祖師像は1294年（文永11年）に作られたもので、その歴史的価値は計り知れません。

また、1941年に日蓮宗全体が本末を解体したため、現在では妙宣寺を旧本山、またその関連寺院を旧末寺として指すことが一般的となっています。

周辺の寺院

妙宣寺に関連する寺院として、一乗山妙法寺（山形県西置賜郡小国町）、長照山久福寺（福島県会津若松市）、光得山圓行寺（佐渡市相川）などが存在します。この地域には日蓮宗に縁のある寺院が多く、歴史的な文化遺産群を形成しています。

交通アクセス

妙宣寺は国中平野の南縁に位置しており、公共交通機関を利用する場合、新潟交通佐渡南線「妙宣寺」バス停から徒歩で約3分の距離にあります。こちらのバス停は土休日の昼間のみ運行されているため、訪問を計画する際には時間の確認が必要です。また、近隣には「竹田橋」バス停もあり、そこからは徒歩約20分の距離となります。

周辺の観光スポット

妙宣寺周辺には、歴史的な名所が点在しています。世尊寺や佐渡国分寺跡、下国府遺跡など、吉祥を象徴する場所が多く訪れる人々を魅了しています。また、真野御陵も近くにあり、これらの観光地は妙宣寺を訪れる際に合わせて立ち寄ることができるスポットです。

妙宣寺は、豊かな歴史と文化的背景を持ち合わせた場所として、多くの人々に親しまれています。

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