妙海寺 (川崎市)

妙海寺（みょうかいじ）

神奈川県川崎市中原区木月に所在する日蓮宗の寺院で、山号を普賢山と称します。旧本山は大明寺であり、奠師法縁（奠統会）に属しています。

歴史

妙海寺の起源は、この地にあった草庵薬師寺に遡ります。寺に現存する磬には文治3年（1187年）の銘が刻まれており、境内の板碑には貞和6年（1350年）の銘が見られることから、鎌倉時代以前に創建されたと考えられています。その後、天文3年（1534年）に木月村の鳥海讃岐が開基となり、仏性院日正を開山として日蓮宗に改宗し、現在の寺号である妙海寺に改められました。

しかし、昭和20年（1945年）の川崎大空襲によって、諸堂は焼失するという甚大な被害を受けました。現在の本堂は、昭和37年（1962年）に天沼工務店の施工によって再建されたものです。

詳細

創建から長い歴史を持つ妙海寺は、地域の人々にとって心の拠り所となってきました。過去には幾多の困難に見舞われましたが、その度に再建を果たし、現在に至っています。特に、鎌倉時代以前に起源を持つという歴史的背景は、寺の持つ重みを際立たせています。

また、日蓮宗に改宗してからの歴史も長く、地域における日蓮宗の信仰を支える重要な役割を担ってきました。現在の本堂は戦後の再建ではあるものの、その美しい姿は、地域のシンボルの一つとして人々に親しまれています。

妙海寺は、過去の歴史を大切にしながらも、現代においても地域社会に貢献し続ける寺院です。訪れる人々に安らぎを与え、地域の歴史と文化を伝える場所として、その存在意義を保っています。

参考文献

日蓮宗寺院大鑑編集委員会『宗祖第七百遠忌記念出版 日蓮宗寺院大鑑』大本山池上本門寺 (1981年)
蘆田伊人 編『新編武蔵風土記稿』 第3巻、雄山閣、1981年3月5日。ISBN 4-639-00020-0。
* 「木月村 妙海寺」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ65橘樹郡ノ8、内務省地理局、1884年6月。NDLJP:763984/41。

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