姉小路済継

姉小路済継（あねがこうじ なりつぐ/さだつぐ）

姉小路済継は、室町時代後期から戦国時代にかけての公卿・大名であり、歌人としても名を残しています。姉小路基綱の子として文明2年（1470年）に生まれ、父と同様に和歌に長けていました。歌会にも頻繁に顔を出し、その才能を発揮したとされています。

生涯

済継は、父である基綱とともに飛騨文学の発展に大きく貢献し、その功績から「飛騨文学の祖」と称えられています。永正5年（1508年）には従三位に叙せられ公卿の仲間入りを果たし、翌年には参議に任ぜられました。

しかし、その生涯は平穏なものではありませんでした。永正7年（1510年）には、飛騨国において美濃国の武将である遠山景正と戦うことになります。この戦いは、当時の地方における勢力争いの一端を示す出来事でした。

永正14年（1517年）に飛騨国へ下向しますが、翌永正15年（1518年）に同地で急逝しました。享年48歳。最終官位は前参議・正三位。法名は常済。彼の死後、家督は子の済俊が継ぎますが、三木直頼の勢力が台頭し、姉小路家は次第に衰退していきました。

官歴

済継は、その生涯において数々の官位を歴任しました。

時期不詳：従五位下
長享2年（1488年）4月17日：侍従
延徳元年（1489年）11月26日：従五位上
明応2年（1493年）正月6日：正五位下
時期不詳：左近衛少将
明応4年（1495年）正月5日：従四位下
明応5年（1496年）正月15日：左近衛中将
明応7年（1498年）2月18日：従四位上
文亀元年（1501年）10月：正四位下
永正5年（1508年）正月6日：従三位（永正4年4月17日賜位記）
永正6年（1509年）正月27日：参議
永正9年（1512年）正月7日：正三位
永正11年（1514年）正月20日：奏慶
永正12年（1515年）3月30日：辞官
永正15年（1518年）5月30日：薨去（前参議・正三位）

これらの官歴からも、済継が朝廷において重要な役割を担っていたことがうかがえます。特に参議に任ぜられたことは、彼の政治的な地位を確固たるものにしたと言えるでしょう。

系譜

済継の家系は以下の通りです。

父：姉小路基綱
母：不詳
生母不明の子女
男子：姉小路済俊（1506年 - 1527年）
男子：姉小路高綱（田向重継?）（? - 1576年?）
* 女子：中院通胤室


このように、姉小路済継は、公卿、歌人、そして飛騨国司として多岐にわたる活躍を見せた人物でした。彼の生涯は、室町時代後期から戦国時代にかけての激動期を生き抜いた人々の姿を今に伝える貴重な史料と言えるでしょう。

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