姉崎天神山古墳

姉崎天神山古墳について

姉崎天神山古墳は、千葉県市原市姉崎に所在する大型の前方後円墳です。この古墳は、養老川下流左岸の台地上に築かれており、姉崎地域に点在する複数の古墳からなる姉崎古墳群を構成する一つです。

特に、この古墳は姉崎古墳群の中でも最大規模を誇り、房総地方における前期古墳としても重要な位置を占めています。古墳のくびれ部分には、後世に建立された菅原神社（天神社）が鎮座しており、古墳の名前の由来となっています。

これまでのところ、発掘調査は実施されておらず、内部の構造や出土品については詳細が不明です。

墳形と規模

姉崎天神山古墳は、前方部を西方に向ける前方後円墳で、その全長は推定130メートル、現存で128メートルを測ります。前方部は未発達であり、その形状から古い様相を呈していると考えられています。

墳丘の周囲には、南側から東側にかけて周溝が巡っていたと推測されていますが、発掘調査が行われていないため、具体的な状況は明らかになっていません。古墳の規模は以下の通りです。

墳丘長：128メートル（推定全長130メートル）
後円部：直径60メートル、高さ14メートル
前方部：幅55メートル、長さ65メートル、高さ8メートル
くびれ部：幅32.5メートル、高さ10メートル

歴史的背景と築造年代

この古墳は、その墳形や立地条件から、4世紀前半から中頃にかけての古墳時代前期に築造されたと推定されています。姉崎古墳群は、『先代旧事本紀』の「国造本紀」に記載されている上海上国造の首長墓群であると考えられており、姉崎天神山古墳もその一つとされています。

姉崎古墳群の中では、今富塚山古墳に続いて築造され、釈迦山古墳に先行すると考えられています。また、古墳の南西側にはかつて宝蔵寺古墳と宝蔵寺2号墳という円墳が存在していましたが、現在は失われています。

文化財指定

姉崎天神山古墳は、その歴史的価値から、1968年（昭和43年）に千葉県指定史跡に指定されました。

遺跡の歴史

1947年（昭和22年）：姉崎二子塚古墳の発掘調査に伴う周辺遺跡の調査で、古墳として認識されました。
1968年（昭和43年）4月9日：千葉県指定史跡に指定。
1974年（昭和49年）：明治大学考古学研究室による測量調査が実施されました。
1993年（平成5年）：千葉県教育委員会による測量調査が実施されました。

関連情報

姉崎天神山古墳は、姉崎古墳群の一部として、また、古代の豪族の権力を示す遺跡として、重要な歴史的意義を持っています。今後の調査によって、さらに多くの情報が明らかになることが期待されます。

参考文献

史跡説明板（千葉県教育委員会・市原市教育委員会、1993年3月設置）
「姉崎古墳群」『千葉県の歴史 資料編 考古2（県史シリーズ10）』千葉県、2003年。
大塚初重「姉崎古墳群」『日本古墳大辞典』東京堂出版、1989年。
「姉崎古墳群」『日本歴史地名大系 12 千葉県の地名』平凡社、1996年。
『続 日本古墳大辞典』東京堂出版、2002年。
小沢洋 「姉崎古墳群」、小沢洋 「天神山古墳 > 姉崎天神山古墳」。

関連項目

姉崎古墳群
上海上国造

外部リンク

千葉県ホームページへのリンク'>姉崎天神山古墳 - 千葉県ホームページ
姉崎天神山古墳 - 市原市埋蔵文化財調査センター

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