姥神大神宮

姥神大神宮について

姥神大神宮（うばがみだいじんぐう）は、北海道檜山郡江差町に位置する歴史深い神社で、北海道で最も古い神社とされています。この神社は旧社格が県社であり、鎌倉時代の建保4年（1216年）に創建されたとされており、その歴史は地域の文化と密接に結びついています。神社の祭神には、天照皇大御神、天児屋根神、住吉大神が祀られており、地元の人々からの崇敬を集めています。

歴史の背景

社伝によると、姥神大神宮は最初、江差の海辺、津花町に創建されました。その頃、折居と呼ばれる老姥が敷地内に庵を結び、彼女の持つ予知能力によって村人たちは彼女を大切に扱っていました。ある春、折居は神島からの光を見て、その源を探しに渡りました。そこで出会った老翁からは「海に撒く水があれば鰊が群れる」との教えを得て、実際にその通りにして村は豊漁を迎えました。村人が折居を訪ねた際、既に彼女の姿は消えており、残された神像を「姥神」として祀るようになったと言います。

正保元年（1644年）、神社は現在の地に遷座され、松前藩主松前氏による崇敬も受け、藩主からの扁額が奉納されました。江戸時代にはロシア船の出現に伴い、幕府の巡視により誤解を受ける事件もありましたが、その後の調査で真相が明らかとなり、佐藤道広藩主は扁額を新しいものに取り替えました。文化14年には朝廷から正一位の神階を授けられ、地元の信仰は厚くなりました。

毎年の祭りと文化

毎年8月9日から11日には「姥神大神宮渡御祭」が行われ、多くの観光客が集まります。この祭りは地域の文化や伝統を体感できる貴重な機会です。参拝者は、山車関係者による奉納や切り声などを見ることができ、祭りの雰囲気に浸ることができます。また、境内には折居社もあり、そこに祀られているのは後に姥神が祀られたものです。元々の折居社が存在していた場所も現存しており、地域社会において重要な文化財として守られています。

アイヌ起源説

姥神大神宮の起源には、アイヌ時代の伝承が関わっているとも言われています。ある老夫婦が食料に困っていた際に神のお告げを受け、海をかき回すと大量の鰊が集まったという伝説が残されています。老翁に対する感謝から恵比須堂が、老女に対しては姥神大神宮が建立されたとされるこの伝説は、地域の文化にも影響を与えています。

交通アクセス

この神社へのアクセスは、函館バスの「姥神町フェリー前」から徒歩圏内と便利です。これにより、多くの参拝者が訪れる機会を得ています。

姥神大神宮は、その豊かな歴史と伝説、文化的価値により、今も多くの人にとっての信仰の対象となっています。

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