姫川港

姫川港の概要

姫川港（ひめかわこう）は、新潟県糸魚川市に位置する重要な地方港湾です。この港は、県の港湾管理者により運営され、地域の交通や物流の要所としての役割を果たしています。姫川の河口の右岸に位置する掘込港湾で、周辺で産出される質の高い石灰石がセメント工業に活用され、港の発展を支えてきました。

2003年には、広域的なリサイクル施設が設置され、この港は総合静脈物流拠点港、すなわちリサイクルポートとして唯一地方港湾の指定を受けました。これにより、持続可能な循環型社会に向けた物流ネットワークの中心地としての機能が強化されました。2009年においては関税法上の開港としても認定されており、税関は直接設置されていないものの、近隣の東京税関新潟税関支署直江津出張所がその役割を担っています。

2015年度の運航実績を見ると、発着数は1,781隻に達し、総トン数は2,782,729トンとなっています。この中で外航商船は100隻を占め、816,346トンの流通が確認されています。これは、姫川港が国内外の貿易において重要な位置を占めていることを示しています。

姫川港の歴史

姫川港の歴史は1965年にさかのぼります。この年の8月27日、当初の仮称であった『糸魚川・青海港』が正式に『姫川港』という名称に決定されました。そして、9月1日に起工式が行われ、本格的な建設が始まりました。

1967年10月には姫川港建設の新5か年計画が発表され、以降も様々な発展が見られました。1973年には漁港区の荷捌き所と漁船倉庫が完成し、同年9月30日には正式な開港宣言が行われました。最初の輸出船は1976年に出航し、同年11月29日には東防波堤に灯台が設置されました。

1978年には、石川県珠洲市との間でホーバークラフトの試乗運航が行われ、地域間交流の新たな試みが展開されました。翌年、1979年には姫川港に初めてソ連（現在のロシア連邦）からの石炭船が入港し、国際的な取引の窓口としての役割が強化されました。

1980年には姫川港利用者協議会が発足し、港の運営と地域全体の発展に向けた取り組みが始まります。1996年にはセメントの第2船積設備が完成し、2003年にはリサイクルポートとしての指定を受けるなど、時代と共に港の機能が多様化していきました。

2009年には関税法上の開港として認定され、2010年には植物防疫法に基づく植物防疫港にも指定されました。これにより、姫川港は更に国際的な価値を高め、地域の経済発展にも寄与しています。

航路の現状

現在、姫川港では定期的に運航されている航路はありませんが、1982年から1983年の間には、石川県珠洲市の飯田港との間で新能越フェリーが運航されていました。この時期のカーフェリー『フェリーたまひめ』の航路は、姫川港が持つ潜在的な発展可能性を示すものでした。

総じて、姫川港は地元経済に密接に結びついた交通の要所であり、地域の特性を生かした港の発展が期待されています。

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