飯田港

飯田港（いいだこう）

飯田港は、石川県珠洲市若山川の河口に位置する地方港湾です。石川県が港湾管理者となっています。港は中央桟橋を境に、東側が漁港、西側が商業港として利用されています。

歴史

飯田港は、海岸の湾曲が少ない地形から、古くより内浦の各港を結ぶ汽船が往来し、生活物資や能登鉱山からの石膏の積み出しが行われていました。越中（現在の富山県）や北海道へ向かう船舶の寄港地としても利用されました。

1923年（大正12年）に刊行された『珠洲郡史』には、「若山川は幅広く水深があり、二百石船の往来が盛んである。しかし、港は入り江が浅く、風波を防ぐ設備がないため、大型船の停泊には適していない」と記述されています。

1933年（昭和8年）から突堤や桟橋の建設が始まり、外郭施設、係留施設などの整備が順次進められました。1962年（昭和37年）頃からは、七尾 - 奥能登間の定期船が運航を開始し、飯田港は珠洲地方における発着港としての役割を担うようになりました。当時は防波堤がなく、砂浜で水深も浅かったため、大型船の停泊は困難でした。しかし、1973年（昭和48年）に都市開発事業として港湾の埋め立てが進められ、329,000m2の埋立地が造成されました。これにより、大型船の接岸が可能となり、埋立地には大型店舗「シーサイド」や珠洲商工会議所、ミニ公園などの公共施設が建設されました。

2013年（平成25年）7月20日には、港一帯が『みなとオアシス飯田』として登録され、地域住民や観光客の交流拠点としての役割も担っています。2016年（平成28年）度には、湾内の静穏性を高めるための防波堤整備が完了しました。

2024年1月1日に発生した能登半島地震では、揺れと津波により防波堤や岸壁が破損するなどの甚大な被害を受けました。同年2月28日には、港湾管理の権限代行を受けた北陸地方整備局が、漁船だまりに散乱した消波ブロックや転覆した船舶の撤去作業を開始しました。

かつて就航していた航路

七尾港（1948年〔昭和23年〕1月20日開設。一度廃止を経て、1962年〔昭和37年〕から一時期のみ）
小木港（日本海観光フェリーにより1975年（昭和50年）にカーフェリーとして就航、1978年にホバークラフトに変更され、1979年に運航中止）
富山港（1982年（昭和57年）7月23日から同年10月まで、新能越フェリー（本社・石川県珠洲市）により運航。定員80人の『スワロー』を使用し片道1時間45分にて運航していた。なお、観光シーズンである8月の1ヵ月間でも利用者は上下合わせて大人965人・小人107人しかいないなど利用者が少なく、大幅な赤字経営を強いられていた）
姫川港（1982年7月23日から1983年10月まで新能越フェリーがカーフェリー『フェリーたまひめ』を運航）

関連項目

飯田町 (珠洲市)

外部リンク

飯田港（港湾管理者：石川県） - 石川県
* 飯田港 - 海上保安庁海洋情報部

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