学校法人平安女学院

平安女学院の歴史と概要

学校法人平安女学院は、幼稚園から大学までを擁する総合学園です。そのルーツは、1875年に大阪で開校したミッションスクールに遡ります。米国聖公会から派遣された教師によって設立され、聖アグネスを守護聖人としています。

設立と初期

1875年、アメリカ人教師ミス・エレン・ガードルード・エディが、大阪の川口居留地で「Miss Eddy’s School」を開設したのが始まりです。当初は男子校を手伝う中で、英語を学びに来た女子生徒を受け入れたのがきっかけでした。その後、「照暗女学校」と改称。この名称は、ヨハネによる福音書の一節に由来し、「光は暗きに照り、暗きは之を暁らざりき」という言葉が元になっています。1880年には、米国聖公会主教ジョン・マキムがチャプレンに就任し、学校の発展に貢献しました。

京都への移転と発展

1894年、学校は京都への移転のため一時閉校。生徒たちは立教女学校へと転校しました。翌1895年に「平安女学院」と改称し、新たに開校。この名称は、京都の歴史と文化を象徴する「平安」に由来します。日中戦争の影響で外国人教師が帰国する中、学院の土地と建物が日本聖公会に寄付され、財団法人として再出発しました。

戦後と現代

戦後、1947年に中学校、1948年に高等学校を設置。1950年には短期大学を発足させ、1951年には学校法人となりました。1987年には短期大学と幼稚園が高槻市に移転。2000年には平安女学院大学が開学しましたが、2005年には守山の校地を閉鎖し、高槻市に統合されました。2007年には京都市に国際観光学部を新設し、教育の幅を広げています。

年表

1874年：ミス・エレン・エディが米国聖公会から派遣決定。
1875年：「Miss Eddy's School」開設、後に「照暗女学校」に改称。
1880年：ジョン・マキム主教がチャプレンに就任。
1894年：京都移転のため一時閉校、生徒は立教女学校へ転校。
1895年：「平安女学院」として再開校。
1920年：日本で初めて制服としてセーラー服を採用。
1941年：財団法人へ改組。
1947年：平安女学院中学校を開校。
1948年：平安女学院高等学校を開校。
1950年：平安女学院短期大学を開学。
1951年：学校法人平安女学院へ改組。
1987年：短期大学と幼稚園を高槻市へ移転。
2000年：平安女学院大学を滋賀県守山市に開学。
2005年：大学を高槻市に統合。
2007年：大学国際観光学部を京都市に新設。
2022年：短期大学部を廃止、保育科は大学子ども教育学部と統合。

運営校

大学: 平安女学院大学（京都・高槻キャンパス）
短期大学部: （2022年廃止）
高等学校: 平安女学院高等学校
中学校: 平安女学院中学校
こども園: 平安女学院大学附属こども園

施設

キャンパス

京都キャンパス: 大学、高等学校、中学校、学院本部が置かれています。
高槻キャンパス: 大学、短期大学部（廃止）、幼稚園が置かれていました。

主要な建物

明治館: 1895年建設。アン女王様式を採用した国の登録有形文化財。
昭和館: 1929年竣工。SRC造の校舎建築で、国登録有形文化財。
有栖館: 旧有栖川宮家邸の一部で、登録有形文化財。
* 聖アグネス教会: 1898年建設。当初は聖三一大聖堂と呼ばれ、京都市指定有形文化財。

校地

校地の大部分は、室町幕府の管領、斯波氏の邸宅跡である武衛陣町に位置しています。この地は、かつて足利義輝や足利義昭が幕府を運営した場所でもあります。

校章

校章は1894年に制定されたもので、「平」を図案化しており、同時に「信仰」「希望」「愛」の３つの精神を表しています。


平安女学院は、長い歴史の中で、キリスト教の精神に基づいた教育を実践し、多くの人材を輩出してきました。その教育活動は、日本の女子教育の発展に大きく貢献しています。

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