学校法人東洋英和女学院

東洋英和女学院の歴史と概要

東洋英和女学院は、19世紀後半の明治時代に、キリスト教の精神に基づき設立された歴史ある学校法人です。その起源は、1873年にカナダ・メソジスト教会の宣教師たちが来日したことに遡ります。彼らは、日本の女性教育の必要性を痛感し、その実現のために尽力しました。

1884年、マーサ・カートメル宣教師は、麻布鳥居坂に東洋英和女学校を設立しました。初代校長にはカートメル自身が就任し、キリスト教の精神に基づく女子教育を開始しました。当初は、本科4年制の学校でしたが、その後、高等科、幼稚科、予科などが開設され、総合的な女子教育機関としての基盤を築いていきました。

教育内容と変遷

東洋英和女学院は、時代の変化に合わせて教育内容を変化させてきました。高等科は東京女子大学と合併し発展解消しましたが、本科は高等女学校となり、付属保母養成所が設置されるなど、女子教育の発展に貢献しました。戦後には、保育専攻部が短期大学保育科に改組され、英文科も設置されました。また、横浜市緑区には短期大学付属幼稚園が開設され、教育の幅を広げてきました。

1989年には、東洋英和女学院大学が開学し、人文科学部と社会科学部を設置しました。これにより、幼稚園から大学院までの一貫した教育体制が整いました。大学院では、人間科学研究科と国際協力研究科が設置され、高度な専門知識と研究能力を養う教育が行われています。

特筆すべき出来事

東洋英和女学院の歴史の中で、特筆すべき出来事としては、創立60周年に校歌が制定されたこと、創立100周年を機に短期大学が横浜市緑区へ移転、国際教養部が設置されたことなどがあります。

また、2019年には、当時の院長による研究不正問題が発覚し、懲戒解雇処分となるという不祥事もありました。この事件を教訓に、学院は再発防止に向けて取り組みを強化しています。

現在の東洋英和女学院

現在、東洋英和女学院は、大学、中学校、高等学校、小学校、幼稚園を擁する総合学園として、その教育活動を展開しています。キリスト教精神に基づいた教育理念を継承しつつ、グローバル社会で活躍できる人材育成を目指しています。

教育機関としての役割だけでなく、文化的な側面でも重要な役割を果たしており、その卒業生は社会のさまざまな分野で活躍しています。

設置校

東洋英和女学院大学
東洋英和女学院中学部・高等部
東洋英和女学院小学部
東洋英和幼稚園
東洋英和女学院大学付属かえで幼稚園

歴代理事長

東洋英和女学院は、創立以来、多くの理事長によって運営されてきました。以下に、主な歴代理事長を記載します。

小林光泰（1884年 - 1887年）
平岩愃保（1887年 - 1933年）
清水由松（1933年 - 1934年, 1936年 - 1950年）
赤澤元造（1934年 - 1936年）
古坂嵓城（1950年 - 1974年）
長野彌（1974年 - 1976年）
大村勇（1976年 - 1985年）
西野嘉一郎（1985年 - 1990年）
亀徳正之（1990年 - 2005年）
池田守男（2005年 - 2013年）
水澤郁夫（2013年 - 2015年）
大宮溥 (2016年 - 2018年)
増渕稔 (2018年 - )

参考文献

『東洋英和女学院120年史』東洋英和女学院、2005年2月25日

東洋英和女学院が登場する作品

『美少女戦士セーラームーン』 - 武内直子の漫画、それを原作とするアニメ作品。登場人物の一人、火野レイが通学する「T・A女学院」のモデル。
『花子とアン』 - 2014年のNHK連続テレビ小説。主人公・安東はな（村岡花子）が給付生として学習、寄宿する「修和（しゅうわ）女学院」として登場。

外部リンク

学校法人東洋英和女学院

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