孫綝

孫綝（そん ちん）

孫綝（232年 - 259年）は、三国時代の呉の武将・政治家であり、孫一族の一員でした。字は子通。

生涯

孫綝は孫亮の時代に偏将軍を務めていましたが、256年に孫峻が急死すると、その後継者として呉の実権を掌握しました。

権力掌握

孫峻の死後、孫綝は瞬く間に権力を掌握します。重臣の呂拠らはこれに反発し、滕胤を丞相に推挙しますが、孫綝は先手を打ち、呂拠を討つよう文欽らに命令。滕胤をも討伐し、政敵を排除しました。その結果、孫綝は仮節・大将軍・永寧侯となり、権勢をほしいままにしました。

諸葛誕の乱への対応

257年、魏の諸葛誕が司馬昭に対して反乱を起こすと、孫綝は文欽らを援軍として派遣しますが、魏軍の前に苦戦を強いられます。自らも大軍を率いて出陣するも敗北し、多くの将兵を失うこととなりました。この敗戦は、人々の不満を高める一因となります。

孫亮との対立

孫亮が親政を始めると、孫綝は次第に疎まれるようになります。孫綝は私邸を構え、弟たちを要所に配置して保身を図りますが、孫亮との対立は深まるばかりでした。孫亮による暗殺計画が発覚すると、孫綝は先手を打ち、孫亮を廃位してしまいます。

孫休の擁立と暗殺

孫亮を廃位した後、孫綝は孫休を皇帝に擁立します。しかし、孫休は孫綝の専横を許さず、丁奉らと密かに暗殺計画を練ります。259年、孫綝は孫休によって捕らえられ、処刑されました。享年28歳。

死後

孫綝の一族は皆殺しにされ、孫峻の墓も暴かれるという、悲惨な末路を辿りました。孫休は孫峻・孫綝を一族の系図から外し、その存在を抹消しようとしました。

孫綝は、短期間で権力を掌握し、皇帝を廃立するなど、呉の歴史において大きな影響力を持った人物でした。しかし、その強引な手法は多くの人々の反感を買い、最終的には暗殺されるという悲劇的な結末を迎えました。

もう一度検索