孫蔚如

孫蔚如の生涯と業績

孫 蔚如（そん いじょ／そん うつじょ、繁体字: 孫蔚如）は、中華民国の軍人であり、その後中華人民共和国においても政治家として活動した人物です。彼は特に楊虎城の側近として知られ、西安事件や日中戦争におけるその役割で注目を集めました。

初期の経歴

孫蔚如は、郷紳の家に生まれました。1910年に咸長初等実業学校に入学し、その後長安高等小学校に進学しました。1913年には西北大学予科に入学し、同年冬に陝西陸軍測量学校に転校しました。1915年に卒業した後は、陝西陸軍測量局で勤務を開始しました。この頃、彼は孫文の革命思想に傾倒し、1916年には中華革命党に入党しました。1917年には胡景翼率いる陝西靖国軍に加わり、軍功を挙げて出世を果たしました。

その後も、彼は楊虎城のもとで静かに軍歴を重ね、1924年には国民軍に合流と共に新たな軍事活動を開始しました。1926年から1927年にかけては、西安を攻撃する劉鎮華の軍と戦い、援軍に支えられて勝利を収めました。1893年の北伐においても、山東省での戦闘で功績を挙げたことが評価されます。

西安事件と日中戦争

1931年、孫は満洲事変後の混乱を期に、北京政府直隷派の呉佩孚を討伐するよう命じられ、以降も抗日運動に力を注ぎました。1936年の西安事件では、張学良とともに蔣介石を逮捕するために動き、効果を上げました。事件後は陝西省政府主席として政治的な役割を引き受けます。

日中戦争勃発後、孫は軍団長として日本軍に対抗し、さらには軍の再編を行いました。彼は具体的な軍事指導者として、山西省南部での戦いで日本軍を迎撃するなど、奮闘を重ねました。1945年には国民党の中央執行委員に選出され、激動の時代の中でリーダーシップを発揮しました。

国共内戦と晩年

日中戦争が終結した後、孫蔚如は日本軍の降伏を受け入れ、その後武漢において軍事活動を続けました。しかし、国共内戦の混沌の中では、彼は戦略顧問委員会に任命されるも、実質的な力を持つことはありませんでした。1949年に中華人民共和国が成立すると、孫は邵力子の紹介で中国国民党革命委員会に参加し、政治活動を続けました。彼の活動は多岐にわたり、陝西省の副省長や国防委員会の委員などを歴任しました。

1979年、孫蔚如は84歳でこの世を去りました。その生涯は激動の中国の中で、彼がどのように翻弄され、そして貢献したかを物語っています。孫の功績は単なる軍人に止まらず、その後の中国における政治活動にも深く関わっていたことがわかります。

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